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知財

損害賠償等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10052
事件名
損害賠償等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年6月6日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、コンピュータシステム開発会社である控訴人(株式会社マルスジャパン)が、被控訴人株式会社マルイチ産商、同社にシステム保守業務を提供していた株式会社テクニカルパートナー、及び同社社員である被控訴人Y1・Y2に対し、著作権(複製権・翻案権)侵害等を理由に、損害賠償金1620万円及び使用停止までの月額45万円の使用料相当額、プログラムの使用差止め並びにソースコードの廃棄を求めた事案である。控訴人と被控訴人マルイチ産商は、平成20年、冷蔵庫管理システム及び社内受発注システムからなる本件新冷蔵庫等システムの開発を内容とする本件基本契約及び本件個別契約を締結し、控訴人は本件共通環境設定プログラム(DLLファイル、EXEファイル、本件ソースコード)を開発した。控訴人は平成26年9月17日に本件基本契約を解除した。控訴人は、平成25年11月27日のサーバ移行に際し被控訴人らが本件ソースコードを複製・翻案し、契約終了後も被控訴人マルイチ産商が保守管理業務の一環として本件共通環境設定プログラムを複製・翻案して使用していると主張した。原審(東京地裁)は請求を棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)本件ソースコードが本件基本契約2条(2)にいう「成果物」に該当するか、(2)本件基本契約終了前のサーバ移行に伴う本件ソースコードの複製・翻案が本件基本契約によって許されるか、(3)本件基本契約終了後の本件共通環境設定プログラムの複製・翻案が、本件基本契約26条を介して同契約21条3項(2)により許されるか、(4)著作権法113条2項のみなし侵害の成否、(5)債務不履行・不当利得の成否等である。 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却した。まず、本件ソースコードは、被控訴人マルイチ産商が控訴人に委託して作成させ、300万円の対価が支払われた以上、本件基本契約2条(2)の「成果物」に該当するとした。ソースコードが個別契約上の納入対象外とされ、現実に納入・検収を経ていなくとも、同条の「成果物」の定義は納入・検収を要件としておらず、汎用性のあるプログラム資産が流失防止のため納入対象外とされることはあり得るとした。もっとも、本件ソースコードは控訴人の既存プログラムを改変して作成したものであるから、同契約21条3項(1)の「新規に作成された成果物」ではなく、同項(2)の「従前から有していた成果物」に当たるとし、被控訴人マルイチ産商は自ら使用するために必要な範囲で無償で著作権法上の利用ができると判断した。サーバ移行に伴う複製・翻案はこの必要な範囲に含まれるため、複製権・翻案権侵害は成立しない。また本件基本契約26条の「契約終了後の権利義務」条項は、合意解約・解除の場合のみならず、更新拒絶による終了の場合にも同契約21条全体の適用を維持する趣旨と解するのが相当であり、文言及び実質的理由からも差異を設ける必要はないとした。さらに、本件共通環境設定プログラムのDLL・EXEファイルは冷蔵庫管理システム等と一体となって初めて機能するものであり、契約終了により利用が妨げられる解釈は不合理であるとした。したがって、契約終了後の保守管理のための複製・翻案も自己使用の必要な範囲内といえ、侵害には当たらない。以上より、みなし侵害(著作権法113条2項)、債務不履行、不当利得の主張もいずれも理由がないとして、原判決を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。