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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ43269
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年6月18日
裁判官
柴田義明佐藤雅浩古川善敬

AI概要

【事案の概要】 発明の名称を「抗ウイルス性衛生マスク」とする特許権(特許第6188984号)を有する原告(株式会社ジムウェイ)が、抗ウイルス性ニット生地で縫製されたマスク(製品名「peerless guard Z」)を製造・販売する被告ら(被告徳光および被告マルゼン)に対し、被告製品が本件特許権を侵害すると主張して、特許法100条1項に基づく製造等の差止め、同条2項に基づく被告製品およびその半製品の廃棄、民法709条および特許法102条2項に基づく損害賠償金(被告徳光につき11万6270円、被告マルゼンにつき33万5038円)ならびに遅延損害金の支払を求めた事案である。本件発明は、抗ウイルス剤を施したニット布地と施さないニット布地の2層以上から成り、鼻部・下顎部・左右の両耳介部を覆う形態で、表側にのみ抗ウイルス剤を施した布地を配し、マスク本体の周縁にニット布地で一定厚みの縁取(枠体)を形成し、中央部に鼻下および唇部を覆って空間を形づくる非伸縮性の接合部を形成したことを特徴とする。 【争点】 争点は、(1)被告製品が「左右の両耳介部を覆う形態」(構成要件B)を充足するか、(2)被告製品が「空間を形づくる非伸縮性の接合部」(構成要件D)を充足するか、(3)乙10文献記載の発明(立体形状マスク)に基づく進歩性欠如(特許法29条2項)、(4)先使用の抗弁(特許法79条)の成否、(5)原告の損害額である。被告らは、構成要件Bの「覆う」とは耳介部全体にかぶせてしまう意味であり、構成要件Dの「非伸縮性」とは伸縮しないことを意味し二重縫合が必須であると主張した。また、平成27年9月頃には本件サンプル品を製作し実施の準備を行っていたとして先使用権を主張した。 【判旨】 東京地裁は、原告の請求を認容した。構成要件Bについて、本件発明の技術的意義に照らすとマスクが耳介部全てを覆う必要性はなく、「左右の両耳介部を覆う形態」とはマスクの枠体が左右両耳介部の付け根の外側を覆う形態を意味すると解釈し、被告製品は当該形態を有するから構成要件Bを充足するとした。構成要件Dについて、「空間を形づくる非伸縮性の接合部」とは少なくともマスク本体中央部を左右に分離させ外膨らみの扇形状に裁断して可及的に伸縮性をもたない非伸縮性となるよう縫合する構成を含み、二重の縫合は実施形態の例示にすぎず必須ではないとして、被告製品の充足を認めた。進歩性欠如の主張については、乙10発明との相違点(抗ウイルス剤を施したニット布地の2層構造、両耳介部を覆う形態、周縁に沿う枠体の形成)に係る本件発明の構成に容易に想到し得たとは認められず、進歩性を欠くとはいえないとした。先使用の抗弁については、提出されたマスクの写真(乙30)および仕様書(乙34)によっても本件サンプル品が抗ウイルス剤を施した布地と施さない布地の2層構造であることや表側のみに抗ウイルス剤を施していることを認めることができず、本件サンプル品が被告製品と同一の発明の範囲内とは認められないとして、先使用権を否定した。損害額については、被告徳光の利益10万5700円、被告マルゼンの利益30万4580円をもって原告の損害と推定し(特許法102条2項)、弁護士費用相当額として被告徳光につき1万0570円、被告マルゼンにつき3万0458円を認め、主文のとおり差止め、廃棄および損害賠償を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。