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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10166
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年6月20日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、株式会社バンダイナムコエンターテインメントが出願した「プログラム及びサーバ」という名称の発明(特願2013-163415号)について、特許庁が拒絶査定をし、これに対する不服審判請求も「成り立たない」と審決したため、原告が同審決の取消しを求めた審決取消訴訟である。 本願発明は、対戦ゲームにおけるマッチング処理に関するプログラムに係るものである。すなわち、第1のプレーヤキャラクタと第2のプレーヤキャラクタが登場する対戦ゲームにおいて、参戦可能な複数のキャラクタの中から、両プレーヤキャラクタの情報の組合せに基づいて第3者キャラクタ(NPC等)を抽出し、対戦ゲーム開始前にマッチングする処理をサーバで行うというものである。従来技術では、対戦者同士の操作経験の差に基づく優劣のアンバランスを調整するため第三勢力を登場させていたが、単にスコアの低い側を支援するにとどまり面白みに欠けるという課題があったところ、本願発明は両プレーヤキャラクタのレベル・属性等の組合せに応じて第3者キャラクタを抽出することで白熱した対戦を実現するとされる。 特許庁は、特開2011-56129号公報に記載された引用発明1(スコア差に応じてNPC人数を増減させる対戦ゲーム)に、キャラクタのレベルに応じて特定キャラクタを抽出するという周知技術を適用すれば容易に想到しうるとして、特許法29条2項(進歩性欠如)を理由に拒絶審決をした。 【争点】 本件の争点は、本願発明と引用発明1との対比(相違点の認定)に誤りがあるか、及び本願発明は引用発明1と周知技術から容易に想到できたといえるか(進歩性の有無)である。原告は、引用発明1の「プレイヤキャラクタ」は優劣判断の局面ではキャラクタを操作するプレーヤを意味するとの主張、プレーヤキャラクタがプレーヤにより選択されることが本願発明の前提であるとの主張、第3者キャラクタが複数種類から選択される点で引用発明1と相違するとの主張等を展開した。 【判旨】 知財高裁第2部(森義之裁判長)は、原告の主張をいずれも排斥し、請求を棄却した。 まず、本願発明の特許請求の範囲の記載からすれば、「プレーヤキャラクタの情報」がプレーヤの技量情報を含むものと解されるところ、引用発明1の「スコア」も各プレーヤの技量を意味するものであるから、両者の技術的意義は相違せず、原告主張の相違点Aは存在しないとした。また、本願の請求項にはプレーヤキャラクタがプレーヤにより選択される点は特定されていないとして、相違点Bの存在も否定した。 そのうえで、本件審決が認定した相違点1(第3者キャラクタの抽出方法が「複数のキャラクタの中から抽出」か「NPC人数の増減設定」か)について、引用文献3・4からは、対戦型コンピュータゲームにおいてキャラクタやプレーヤのレベルに応じたキャラクタ・プレーヤを複数の中から抽出するという周知技術Aを認定できると判断した。そして、周知技術Aと引用発明1は、いずれも対戦型コンピュータゲームの分野に属し、レベルの合う相手を抽出してゲームを楽しくするという共通の技術思想に基づくものであるから、引用発明1に周知技術Aを適用する動機付けがあり、これにより本願発明の構成に至ることは当業者が容易になしうるものとした。サーバ側でマッチング処理を行うか端末側で行うかも当業者の設計的事項にすぎないとして、相違点2についても容易想到性を認めた。 結論として、本願発明は引用発明1及び周知技術Aに基づき容易に発明できたものであり、特許法29条2項により特許を受けることができないとした審決に違法はないとして、原告の請求を棄却した。本件は、ゲーム分野における進歩性判断において、複数文献から抽出される周知技術の認定方法と、引用発明への適用動機付けの判断枠組みを示した事例として参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。