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下級裁

遺族補償給付等不支給処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ6
事件名
遺族補償給付等不支給処分取消請求事件
裁判所
熊本地方裁判所
裁判年月日
2019年6月26日

AI概要

【事案の概要】 本件は、宅急便の集荷・配達業務に従事するセールスドライバーであった亡Bが、平成26年12月14日夜、勤務先であるC株式会社D支店の駐車場でくも膜下出血を発症し、翌15日未明に46歳で死亡した事案である。亡Bの妻である原告は、夫の発症及び死亡は過重な業務に起因するとして、労働者災害補償保険法に基づき遺族補償年金給付及び葬祭料の各支給を請求した。しかし、熊本労働基準監督署長は、平成27年8月27日、亡Bの死亡は業務上の事由によるものとは認められないとして、いずれも不支給とする処分をした。原告は、労働者災害補償保険審査官に対する審査請求及び労働保険審査会に対する再審査請求をいずれも棄却されたため、本訴において被告国を相手方とし、各不支給処分の取消しを求めた。亡BはD支店Dセンターに所属し、平均して午前8時頃から午後9時頃まで集荷・配達、夜間配達の積込み等に従事しており、発症前1か月間は繁忙期(12月)に当たっていた。 【争点】 本件の争点は、亡Bの本件発症及び死亡に業務起因性が認められるか否かである。具体的には、①タイムカード打刻時刻のみならず、始業前の早出時間、昼休憩中の積込み・伝票確認等の作業時間、終業後の仕分作業等をどのように評価するかという労働時間の認定方法、②発症前1か月ないし6か月間の時間外労働時間が脳・心臓疾患の認定基準に該当する過重業務の水準に達していたか、③繁忙期・冬場の車両内外の温度変化・拘束時間の長さ等、労働時間以外の負荷要因の過重性、④亡Bの喫煙習慣が業務起因性を否定する業務外のリスクファクターとなるかが問題となった。 【判旨】 熊本地裁は、原告の請求をいずれも認容し、本件不支給処分を取り消した。本件会社が平成27年及び平成29年に実施した早出・残業時間及び休憩時間に関する社内調査の結果を踏まえ、亡BについてもDセンター所属の他のセールスドライバーと同程度の未計上労働時間があったと推認し、タイムカード外の早出時間、昼休憩中の稼働時間及び終業後の作業時間を労働時間に算入した。その上で、発症前1か月間の時間外労働は合計112時間17分と認定基準にいう100時間を超えており、発症前2か月ないし6か月間についても1か月当たり45時間を超える時間外労働があったと認定し、長期間にわたる著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労していたと評価した。さらに、繁忙期であったこと、冬場の配達のたびに車両内外の温度変化にさらされる身体的負荷、1か月平均12時間46分に及ぶ拘束時間の長さ等から、労働時間以外の負荷要因も相当程度過重であったとした。他方、亡Bの2日に1箱程度の喫煙習慣は特に多量とはいえず、死亡当時46歳の健康な男性で他に既往歴や脳疾患のリスクファクターを有していなかったことを指摘し、業務による負担が相対的に有力な原因となって本件発症を招来したものと認められ、業務に内在する危険が現実化したものとして、発症及び死亡と業務との間に相当因果関係があると判断した。発症前1か月間に8日の休日を取得していたとの被告の指摘についても、発症前2週間は休日が2日間しかなく肉体的・精神的疲労が回復できたとは困難であるとして排斥し、本件発症及び死亡について業務起因性を肯定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。