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知財

特許権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10001
事件名
特許権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年6月26日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩菅洋輝
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「美容器」に関する特許(特許第5791844号及び特許第5791845号。本件特許1・2)を有する被控訴人(株式会社MTG)が、控訴人(株式会社ファイブスター)の販売する被告製品(4個のローラで構成されたマッサージ用美容器)は本件各発明の技術的範囲に属すると主張して、特許法100条1項・2項に基づく製造・販売等の差止め及び半製品・金型等の廃棄を求めるとともに、民法709条に基づく損害賠償を求めた事案である。本件特許は、いずれも4本の支持軸の先端部に回転可能に支持された4個のローラを備え、ローラを肌に押し当てて直交する2方向に移動させることで肌を押圧・摘み上げる構造を特徴とする美容器に関するものであり、被控訴人が展開する高級美容ローラ「リファ」シリーズの根幹を支える特許である。原判決(大阪地判)は差止請求を全部認容し、損害賠償請求の一部を認容したため、控訴人は全部棄却を求めて控訴し、被控訴人も損害額の増額を求めて附帯控訴した。 【争点】 主要な争点は、(1)被告製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(「ローラ」の意義、「支持軸の先端部に回転可能に支持された」の意義)、(2)本件各特許に進歩性欠如の無効理由があるか(乙104発明等を主引例とする無効の抗弁の成否)、(3)侵害訴訟係属中に提起した無効審判で無効不成立審決が確定した後、同一当事者間の侵害訴訟で同一の事実及び同一証拠に基づく無効主張を再度行うことが信義則上許されるか、(4)特許法102条1項ただし書の「販売することができないとする事情」の範囲、である。 【判旨】 知財高裁は控訴・附帯控訴をいずれも棄却し、原判決を維持した。まず技術的範囲の属否について、本件発明の特許請求の範囲や明細書には控訴人主張のような限定(先端部が扁平していないローラに限るとの解釈や、キャップ部材を必須構成とする解釈)を支持する根拠はなく、被告製品のローリング部は支持軸の先端部を覆う形で回転可能に設置されており技術的範囲に属すると判断した。次に、乙104発明(別の4本アーム型マッサージ器)を主引例とする進歩性欠如の主張について、乙104発明は一対のアームを対で用いることのみが開示され、アーム片方だけを用いる構成とする動機付けがないとして、容易想到性を否定した。さらに、乙17の1・乙18の1を主引例とする無効主張については、控訴人自身が先行する無効審判で同じ主引例・ほぼ同じ副引例を用いて主張し無効不成立審決を確定させていた経緯に照らし、特許法167条の趣旨は侵害訴訟にも及ぶとし、同一当事者間で同一の事実及び同一証拠に基づく無効主張を侵害訴訟で蒸し返すことは、特段の事情がない限り訴訟上の信義則に反し許されないと判示した。これは、無効審判と侵害訴訟のパラレル運用における紛争蒸し返しを明確に封じる判断として実務上重要な意義を持つ。損害論については、特許法102条1項に基づく損害算定において、原告製品(リファ)と被告製品の価格差が約7〜8倍に及ぶこと、流通経路(高級店舗中心 対 ディスカウントストア中心)、マイクロカレント機能の有無といった事情を総合考慮し、被告譲渡数量3365個のうち5割について被控訴人が「販売することができないとする事情」があるとした原判決の判断を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。