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下級裁

傷害幇助被告事件

判決データ

事件番号
平成31わ244
事件名
傷害幇助被告事件
裁判所
千葉地方裁判所
裁判年月日
2019年6月26日
裁判官
本田真理子

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が、夫Aによる長女V(当時10歳)に対する虐待行為を認識しながらこれを制止せず、Aの指示に従ってVに食事を与えないなどしてAの傷害行為を容易にしたとして、傷害幇助罪に問われた事案である。本件は、野田市で発生し社会的に大きな注目を集めた小学生女児虐待死事件の母親に関する刑事裁判である。 被告人は、平成20年にAと婚姻しVを出産したが、Aの監視束縛を嫌って別居・離婚した後、精神状態が悪化し双極性感情障害と診断され精神障害2級の認定を受けた。その後Aと復縁・再婚し二女を出産したが、Aは沖縄から千葉県野田市へ転居し、被告人も後を追って本件居室で家族生活を送っていた。 平成29年11月、Vが小学校のいじめアンケートでAからの暴力被害を訴えたことを契機に児童相談所に一時保護されたが、Aは関係機関に高圧的な言動を繰り返して一時保護を解除させ、アンケートの写しを入手したうえ、被告人に指示してVにアンケート記載を否定する書面を作成させた。平成30年夏頃からAの虐待は激化し、平成31年1月22日から24日までの間、Aは本件居室でVに対し、食事を与えず、濡れた肌着のまま浴室に立たせ続け、冷水を浴びせ、プロレス技の逆エビ固めのような暴行を加えるなどし、Vを飢餓状態及び強度のストレスに起因するケトアシドーシス等に陥らせた。被告人は母として監護義務を負う立場にありながら、Aの虐待を直接制止したり通報したりせず、Aの指示に従ってVに食事を与えないなどして、Aの傷害犯行を幇助した。 【判旨(量刑)】 千葉地裁は、被告人を懲役2年6月に処し、5年間刑の全部執行を猶予したうえ、猶予期間中保護観察に付する旨の判決を言い渡した。 裁判所は、Aの虐待行為がほぼ2日間にわたる食事の剥奪、冷水の注水、睡眠妨害等の執拗かつ非情なもので、Vが瀕死の状態に陥った甚だ悪質な事案であると評価した。そのうえで、被告人は唯一の監護者でありながら、家族関係の存続を図るなどの理由でVから目を背け、Aの意向に沿うようVの言動を監視・報告するなど迎合的行動をとっており、幇助行為の結果発生への寄与は小さくないと認めた。 他方、被告人が双極性感情障害に罹患し精神的に脆弱で他者に迎合しやすい性格行動傾向を有していたこと、周囲に相談相手もなく孤立し、Aの高圧的・支配的言動に抗うのが相当困難な状況に陥っていたこと、Aの暴力を止めに入った際に自身も暴行被害を受けていたこと、犯行期間中はインフルエンザのAが終日在宅していたためその影響を一層強く受けていたことなどを踏まえ、被告人への非難は相応に減じるべきであるとした。さらに、捜査段階から詳細な事実関係を供述し、家庭内虐待事案の解明に協力したこと、母親が精神疾患の治療を支援する旨証言していること、前科前歴がないことも考慮された。 裁判所は、Aの目が届かないところではVを安堵させる関わりをし、Vを傷付けることを積極的に望んでいたとはいえないことから、社会内で反省悔悟の日々を送らせ更生させる余地があると判断し、刑の執行を猶予した。ただし、被告人の精神の脆弱さや帰住環境等に鑑み、公的機関による指導助言が必要不可欠であるとして保護観察を付した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。