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知財

販売差止め及び損害賠償等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10004
事件名
販売差止め及び損害賠償等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年6月27日
裁判官
森義眞鍋美穂子佐野信
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 控訴人(一審原告)である株式会社ジェイ・エスは、アイマスクの耳かけストラップ部分について意匠登録(本件登録意匠)を受けていた。控訴人は、被控訴人株式会社ユメロン黒川が製造・販売するアイマスク(イ号物件)が本件意匠権を侵害すると主張した。本件登録意匠は、アイマスク本体から延びる2本の紐の中間部と先端部の2箇所にビーズが配置されている点に特徴があった。 また、控訴人は、自らが販売するレッグウォーマー等(本件原告商品)の形態が控訴人の商品等表示として周知・著名となっていたところ、被控訴人会社が販売する類似形態のアーム&レッグウォーマー等(本件被告商品)の製造・販売は、不正競争防止法2条1項1号及び2号の不正競争行為に該当すると主張した。さらに、被控訴人Yについては、取締役として会社法429条1項に基づく第三者責任を負うと主張した。 控訴人は、意匠法及び不正競争防止法に基づく差止め・廃棄、謝罪広告掲載、並びに損害賠償金4億4748万円の一部である1000万円の連帯支払を求めた。原審東京地裁は、本件登録意匠とイ号意匠は類似せず、本件原告商品の形態は商品等表示性を獲得していないとして請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、①本件登録意匠とイ号意匠の類似性(特に本件登録意匠の要部をどう認定するか)、②本件原告商品の形態が不正競争防止法上の「商品等表示」に該当するための特別顕著性・周知性の有無、であった。控訴人は、本件登録意匠の構成イウエが一体として要部を成し、先端部のビーズの有無は本質的差異ではないと主張した。また、特別顕著性という要件は条文に明記されておらず、そのハードルを過剰に高く設定すべきでないと争った。 【判旨】 知的財産高等裁判所第2部は、控訴を棄却した。まず意匠権侵害については、本件登録意匠は耳かけストラップ部分の部分意匠であり、中間部及び先端部の2箇所にビーズが現れる点が需要者の印象に強く残ると認定した。公知意匠(乙10~13)を参酌すると、「耳かけストラップの中間部及び先端部の二箇所にビーズが現れる形態」を含む構成全体が要部であり、本件登録意匠の出願経過における控訴人の意見書でも、先端部のビーズの存在が引用意匠との重要な相違点として主張されていたことが裏付けとなる。イ号意匠は先端部にビーズを有しない点で本件登録意匠と美感を異にし、類似しないと判断した。ビーズ一つを削除する改変がありふれたものであるとしても、両意匠が類似することにはならないとした。 次に不正競争行為該当性について、商品の形態が「商品等表示」に該当するには、特別顕著性と周知性が必要であると解すべきであり、これは明文なき要件として過剰にハードルを高めるものではなく、事業者間の公正な競争確保のために必要な要件であると判示した。そして、乙2、3、26、27の類似商品は日経流通新聞やウェブサイトで新製品として紹介されており、人知れず発売されていた商品とはいえず、平成23年~同24年頃から平成30年頃まで本件特徴又はこれと類似する特徴を有する商品が継続して多数販売されていたと認められるから、本件原告商品の形態に特別顕著性は認められないとした。 本判決は、部分意匠における要部認定に出願経過の意見書を参酌する手法を示すとともに、商品形態の商品等表示該当性について特別顕著性要件の意義を確認した点で、知財実務上参照価値のある裁判例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。