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最高裁

わいせつ誘拐,殺人,死体損壊,死体遺棄被告事件

判決データ

事件番号
平成29あ605
事件名
わいせつ誘拐,殺人,死体損壊,死体遺棄被告事件
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
2019年7月1日
裁判種別・結果
決定・棄却
裁判官
山口厚池上政幸小池裕木澤克之深山卓也
原審裁判所
大阪高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が、わいせつな目的で当時6歳の被害者を自宅に誘い入れて誘拐した上、被害者の頸部にビニールロープを巻き付けて絞めつけ、意識を失った被害者の後頸部を包丁で複数回突き刺して殺害し、さらに遺体を切断するなどして損壊し遺棄したという、わいせつ誘拐、殺人、死体損壊、死体遺棄の事案である。殺人の動機は、誘拐の犯行発覚を免れることに加え、遺体にわいせつな行為をしたいと考えたというもので、突発的ではあるものの強固な殺意に基づくものであった。第1審は、幼い被害者の生命を奪った上に遺体を凄惨な態様で損壊・遺棄したことを重くみて死刑を言い渡した。これに対し、控訴審(原審)は、殺害に計画性が認められないこと、第1審判決の動機の身勝手さや犯行態様の残虐性についての評価が過大であることなどを理由に第1審判決を破棄し、被告人を無期懲役に処した。検察官は、死刑を選択しなかった原判決の量刑不当を主張して上告した。 【争点】 最大の争点は、被告人に対して死刑を選択することが許容されるか否かである。具体的には、殺害の計画性がなく、被害者が1名にとどまり、性的被害も伴わない事案において、犯行全体からうかがわれる被告人の生命軽視の姿勢が「甚だしく顕著」であるといえるかが問われた。いわゆる永山事件決定以来、死刑選択に当たっては、罪質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を総合考慮した上で、その罪責が誠に重大であり、罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむを得ないと認められる場合でなければならないとされており、同種事案との公平性の確保も重要な考慮要素とされてきた。 【判旨(量刑)】 最高裁は、検察官の上告趣意は実質上量刑不当の主張であって刑訴法405条の上告理由に当たらないとした上で、職権調査の観点からも論じた。本件犯行は、動機、経緯が余りにも身勝手であり、複数の凶器を使用して確実に殺害した態様は冷酷かつ残忍、遺体損壊・遺棄の態様も凄惨であって、遺族の処罰感情が厳しいのも十分理解でき、被告人の刑事責任は誠に重いとした。もっとも、殺害に計画性が認められないこと、被告人による生命侵害が前科を含めても本件の1回のみにとどまることなどを総合すると、犯行全体からうかがわれる生命軽視の姿勢は明らかではあるものの「甚だしく顕著」とまではいえないと判断した。そして、性的動機により被害者1名が殺害された同種事案では、計画性がなく性的被害も伴わない場合、同種重大前科のない者に死刑が選択されていない近時の裁判例の傾向を踏まえると、死刑が究極の刑罰でありその適用は慎重でなければならないという観点と公平性確保の観点からして、死刑の選択が真にやむを得ないとまではいい難いとし、無期懲役とした原判決に刑の量定を甚だしく不当とすべき事情はないとして上告を棄却した。本決定は、死刑選択基準における計画性の重み、被害者数、前科の有無、同種事案との公平性といった考慮要素の相互関係を具体的に示したものであり、近時の死刑選択の実務傾向を最高裁が追認した量刑判断として重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。