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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10181
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年7月3日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子

AI概要

【事案の概要】 本件は、検査用照明器具の放熱部分に関する部分意匠登録(意匠登録第1224615号)について、原告が無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。 被告は、平成16年4月、検査用照明器具の放熱部分を対象とする部分意匠を出願し、同年10月に意匠権の設定登録を受けた。本件意匠は、横向き円柱状の軸体に、それよりも径の大きい3つの円盤状フィンを等間隔に設けた形態で、中間の2枚のフィンは同形同大、後端フィンは中間フィンとほぼ同形ながら厚みが約2倍あり、後端面の外周角部が面取りされているという特徴を有する。 原告(株式会社イマック)は平成30年5月に無効審判を請求し、①書籍「エレクトロニクスのための熱設計完全入門」に掲載された「タワー型」ヒートシンク(引用意匠1)、②原告製品「IHV-27R」に係る同軸スポット照明の意匠(引用意匠2)、③意匠登録第1175712号の検査用照明器具の意匠(引用意匠3)を引用し、本件意匠は各引用意匠と類似するか、当業者が容易に創作できた意匠であると主張した。しかし特許庁は、意匠法3条1項3号(類似意匠)にも同条2項(創作容易性)にも該当しないとして、無効審判請求を不成立とする審決をした。 【争点】 争点は、①本件意匠と引用意匠1ないし3との類否判断の当否、②引用意匠1単独、引用意匠1と同2の組合せ、引用意匠1と同3の組合せ、引用意匠2単独、引用意匠3単独による創作容易性の有無である。特に、本件意匠の特徴である「電源ケーブルをフィンの後端から引き出さない形態」(フィン後端面が平坦で、ケーブル接続部や貫通孔がない点)と「支持軸体がフィン直径の約5分の1という細い形状」の評価が問題となった。 【判旨】 知財高裁は原告の請求を棄却した。意匠の類否判断は需要者(工場等で製品検査業務に携わる者)の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(意匠法24条2項)ところ、引用意匠1は水平方向に4枚のフィンが並ぶタワー型ヒートシンクで本件意匠とは縦横の位置関係が異なり、90度回転して対比しても、フィン枚数や厚みの差、軸体の太さの違いなどの相違点が共通点を凌駕するとして類似性を否定した。引用意匠2・3との関係でも、電源ケーブルの引き出し位置は検査用照明器具の使用態様に大きく関わり需要者が最も着目する点であるところ、本件意匠がフィン後端にケーブル接続部・貫通孔を設けていない点、及び支持軸体が細い点において美感が異なると認定した。 創作容易性については、昭和49年3月19日最高裁判決(民集28巻2号308頁)等を引用し、公知のモチーフを基準として当業者の着想の新しさ・独創性が問題となるとした上で、タワー型ヒートシンクを垂直方向に並べ替える動機付けを認める証拠がないこと、電源ケーブルをフィン後端から引き出さない形態や細い支持軸体の形状が出願当時知られていたとの証拠がないことから、各引用意匠単独でも組合せでも当業者が本件意匠を創作することは容易でなかったと判断した。本判決は、部分意匠の類否判断において物品全体の使用態様(ケーブル引き出し位置等)を需要者の着目点として重視した実務上の意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。