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知財

プログラム著作権確認並びに著作権侵害差止請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10020
事件名
プログラム著作権確認並びに著作権侵害差止請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年7月10日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩菅洋輝
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、ソフトウェア部品株式会社、株式会社ビーエスエス、ソフトウエア部品開発株式会社及び個人2名(以下「控訴人ら」という。)が、被控訴人日本電子計算株式会社に対し、「BSS-PACK」と呼ばれるソフトウェア部品に関するプログラム(登録済みプログラム及び非登録プログラム)の著作権を控訴人らが保有することの確認、並びに被控訴人が販売する「JIPROS」(被告製品)の販売差止め・廃棄等を求めた事案である。 事の発端は、平成18年3月、控訴人ビーエスエス社が株式会社サンライズ・テクノロジーとの間で、事業継続支援の包括合意(本件合意)及びソフトウェア譲渡契約(本件譲渡契約)を締結したことにある。契約書上、譲渡対象は①著作権登録済みのBSS-PACKクライアント、サーバー、部品ビュー、部品マイスター等の「登録済みプログラム」と、②そのバージョンアップ版や関連プログラムである「非登録プログラム」の双方を含むものとされ、譲渡価額は11億5000万円と定められた。その後、サンライズ社から派生した権利関係を経て、被控訴人が当該著作権を取得し、JIPROSとして被告製品を販売するに至った。 控訴人らは、本件譲渡契約の対象は登録済みプログラムに限られ、非登録プログラムの著作権は自社又は指定会社に留保されていたと主張し、一審で敗訴したため控訴した。 【争点】 争点は、①本件譲渡契約の全部又は一部が錯誤により無効となるか、②非登録プログラムについてサンライズ社の引渡請求権が時効消滅したか(本件譲渡契約が要物契約として引渡しまで著作権が移転しないと解されるか)、③本件合意が下請法違反や欺罔行為を伴う悪質な契約として公序良俗違反により無効となるか、である。 【判旨】 知財高裁第3部は、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決を相当と認め、本件控訴をいずれも棄却した。 まず争点①について、本件譲渡契約書及び本件合意書の文言上、譲渡対象には登録済みプログラムだけでなく「バージョンアップ等改良後のプログラム」等の非登録プログラムも含むことが明示されており、控訴人ビーエスエス社の内心が契約内容と異なっていたことを裏付ける客観的証拠はないと判断した。譲渡代金がコンサルティング報酬と相殺された点についても、相殺により報酬債務が消滅する以上「代金が支払われていない」とは評価できず、譲渡対象の範囲に関する認定を左右しないとした。 次に争点②について、本件譲渡契約書第1条は、著作権の移転と媒体の引渡しを併せ規定したものにすぎず、契約の効力発生や著作権移転そのものに条件を付した「要物契約」ではないと解釈した。したがって、非登録プログラムの著作権は、契約書に定められた平成18年4月末日までに合意によりサンライズ社へ移転しており、引渡未履行を前提とする時効援用の主張は前提を欠くとした。 争点③についても、控訴人らの主張する事実関係をもってしても直ちに民法90条の公序良俗違反となるものではなく、サンライズ社による欺罔行為等を裏付ける客観的証拠もないとして、主張を排斥した。 本判決は、ソフトウェア譲渡契約の対象範囲を契約書の客観的文言から合理的に解釈し、事後の主観的動機や代金決済方法をもって譲渡範囲を限定することはできない旨を明示した実務的意義を有する。プログラム著作権の譲渡実務において、「登録済み」か否かにかかわらず関連派生プログラムを包括的に譲渡対象とする場合の契約書文言の重要性を示すものといえる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。