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下級裁

建物明渡請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ1654
事件名
建物明渡請求事件
裁判所
神戸地方裁判所
裁判年月日
2019年7月12日
裁判官
武村重樹

AI概要

【事案の概要】 神戸市立医療センター西市民病院を運営する地方独立行政法人である原告は、同病院の地下1階等において売店、自動販売機、公衆電話を営業する被告との間で、平成29年4月から平成30年3月までを期間とする賃貸借契約を締結していた。被告は平成10年頃から神戸市との間で行政財産の目的外使用許可を受けて売店を営んでおり、平成21年に神戸市から原告へ病院運営が移管された後は原告との賃貸借契約に切り替わっていた。 原告は、西市民病院が平成29年度に約2億6200万円の赤字を計上したことや食堂事業者の撤退を受け、北館地下1階をイートインコーナー併設売店等にリニューアルする計画を立案。平成29年9月、被告に対し本件各賃貸借契約の更新を拒絶する旨通知し、期間満了による契約終了または借地借家法上の更新拒絶を理由に、売店部分(約8.07㎡)、自動販売機8台の設置部分、公衆電話10台の設置部分の各区画の明渡しを求めて本訴を提起した。 【争点】 第一に、本件各賃貸借契約が借地借家法の適用を受ける「建物の賃貸借」に当たるか。売店部分が同法上の「建物」といえるか、本件各賃貸借契約が一体の契約と評価されるか、が問題となった。第二に、「建物の賃貸借」に当たる場合、本件更新拒絶に借地借家法28条にいう正当の事由が認められるかが争われた。原告は立退料の支払提示をしない姿勢を貫いた。 【判旨】 請求棄却。裁判所はまず、建物の一部であっても障壁等によって他の部分と区画され独占的排他的支配が可能な構造・規模を有すれば借地借家法上の「建物」に当たるとの最高裁昭和42年6月2日判決を引用。自動販売機部分と公衆電話部分は通路上にあり区画されていないから「建物」には当たらないが、売店部分は三面を壁で囲まれシャッターで閉鎖でき、独占的排他的支配が可能な構造・規模を備えるから「建物」に該当すると判断した。外部への直通口がない点や使用目的の限定・立入検査権等は、客観的構造による判断を左右しないとした。 次に契約の一体性について、本件各区画が同一建物内にあり売店と自動販売機・公衆電話の関係が密接であること、契約締結が同一機会に行われたこと、原告自身が後発の公募で同一事業者による一括運営を前提としていたこと等から、本件各賃貸借契約は一体の契約として「建物の賃貸借」に当たると認定した。 正当事由については、リニューアル計画が病院の中核的業務ではなく付随的設備の改修にすぎず、収益改善への直接的寄与は想定しにくいとして、原告側の使用必要性を高く評価しなかった。他方、被告は約20年にわたり本件各区画で営業を継続してきたことから、使用継続の必要性は相応に高いとした。原告が主張する「公共目的」優先論についても、地方自治法上の目的外使用許可と借地借家法上の賃貸借とは法律関係が異なり、付随的設備のリニューアルをもって公共目的を殊更重視することは相当でないと斥けた。原告が立退料の支払提示をしていないことも併せ、本件更新拒絶には正当の事由が認められないと結論付け、更新拒絶の効力を否定して原告の請求をすべて棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。