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下級裁

出入国管理及び難民認定法違反幇助

判決データ

事件番号
平成30う2076
事件名
出入国管理及び難民認定法違反幇助
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2019年7月12日
裁判種別・結果
破棄自判
裁判官
藤井敏明幅田勝行高杉昌希
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、内縁の夫である韓国籍のAが、在留期間を超えて日本に不法残留することを容易にしたとして、出入国管理及び難民認定法違反幇助の罪で起訴された被告人(日本人女性)の控訴審判決である。Aは平成19年に来日し、日本人女性と婚姻して「日本人の配偶者等」の在留資格を得ていたが、平成24年に離婚して本国へ帰国したため、在留期間の更なる更新は見込めない状況にあった。被告人は平成26年春頃にインターネットを通じてAと知り合い、交際を開始。Aは同年8月に来日して被告人のアパートで同居を始めた。Aは平成27年2月に一旦出国した上、「短期滞在」(90日)の在留資格で再入国したが、同年5月26日の在留期限を超過しても不法残留を続けた。被告人は、自身の離婚が成立しておらずAと婚姻できないため適法な在留資格を得られないと認識しながら、同居を継続した。さらに平成28年には新宿区内にマンションと店舗を被告人名義で賃借し、飲食店の営業に必要な資格を取得して、Aと共に飲食店を経営した。平成29年7月にAが不法残留で逮捕されたことを受け、被告人も起訴された。原審(第一審)は、被告人の住居提供・生活資金確保の行為がAの不法残留を容易にしたとして幇助犯の成立を認めた。 【争点】 内縁関係にある外国人と同居し、生計を共にする従来からの生活を継続した行為が、不作為犯である不法残留罪(出入国管理及び難民認定法違反)の幇助に当たるか否かが争点となった。具体的には、被告人の同居継続や飲食店共同経営といった行為が、正犯たるAの不法残留行為を「促進する危険性」を備えた幇助行為と評価できるかが問われた。 【判旨(量刑)】 東京高裁第5刑事部は原判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した。裁判所はまず、Aが不法残留となる約9か月前から被告人と同居して生計を共にしていた事実、A自身も資産を有し被告人が離職した際には家賃を負担するなど一方的に扶養される関係ではなかった事実を認定した。そして、不法残留後の転居や飲食店経営開始という事情はあるものの、それによって以前からの同居関係の性質が変容したとはいえず、本件行為はAと内縁関係にある被告人が同居して生計を共にする従来からの状態を継続したにすぎないと評価した。また、被告人はAの存在を殊更隠そうとせず、ブログで内縁関係を公表し家族や知人にも紹介しており、公務所への虚偽文書提出等により不法残留の発覚を妨害した事実も認められない。さらに、正犯であるAの不法残留は在留期間経過後に本邦に残留するという不作為犯であることを踏まえると、被告人の本件行為がAの正犯行為を促進する危険性を備えたものと評価することは困難であると判示した。そのうえで、原判決は正犯行為の性質を的確に踏まえず、幇助行為の要件を形式的に捉えて本件行為の性質を誤認したもので、刑法62条1項の解釈適用を誤ったと結論付け、犯罪の証明がないとして刑訴法336条により被告人に無罪を言い渡した。本判決は、不作為犯に対する幇助の成否につき、正犯行為を促進する危険性の有無を実質的に検討することを求めたものとして、実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。