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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30行コ15
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2019年7月16日
裁判官
久保孝二升川智道久保孝二
原審裁判所
名古屋地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、愛知県豊橋市の住民らが、豊橋市に代わって市の執行機関である市長(控訴人)に対し、地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟として、ある繊維メーカー(控訴人補助参加人)に損害賠償金約63億円を請求するよう求めた事案である。 昭和26年、豊橋市は失業問題の解決と商工業の活性化を目的に、旧軍用地約8万1638坪を補助参加人に無償で提供する形で工場誘致を行った。本件契約12条では「補助参加人は将来本件各土地のうちで使用する計画を放棄した部分は豊橋市に返還する」と定められていた。補助参加人は第1工場を建設し操業を開始し、昭和43年には第2工場も建設したが、平成27年3月に豊橋事業所を全面閉鎖し、同年9月、未活用地を含む本件売却土地を積水ハウス株式会社に約63億円で売却した。 住民らは、補助参加人が本件契約12条に基づき本件売却土地全部を豊橋市に返還する義務を負っていたにもかかわらず、これを第三者に売却して返還不能としたことは債務不履行又は不法行為に当たり、市長が損害賠償請求権の行使を違法に怠っていると主張した。原審は請求を認容し、市長が控訴した。 【争点】 争点は、第一に、本件売却土地の全部又は一部が本件契約12条にいう「使用する計画を放棄した部分」に該当するか、第二に、返還義務の対象となる土地の範囲及び損害賠償額はいくらか、という点である。補助参加人側は、工場建設計画が完了した部分は「計画を放棄した部分」に当たらず、工場廃止後も返還義務は生じないと主張した。これに対し住民らは、本件契約の目的は工場建設ではなく継続的な操業にあるから、事業廃止による撤退は使用計画の放棄そのものであると反論した。 【判旨】 名古屋高等裁判所は原判決を変更し、住民らの請求を一部認容した。 裁判所はまず、本件契約12条の「使用する計画を放棄」の意味について、原則として当該土地部分について工場等を建設して操業を開始する前に使用しない旨を表明することをいうと解したうえで、例外的に、工場の操業を開始しても一定期間以上操業を継続しなければ工場誘致の目的は実質的には達成されないから、そのような場合も同条の趣旨に照らし「使用する計画の放棄」に該当し得るとした。 その上で、補助参加人は平成27年3月12日に豊橋事業所等廃止申告書を提出したことにより、遅くとも同日時点で本件売却土地のうち未使用土地について使用する計画を放棄する旨の意思表示をしたと認めた。 返還対象の範囲については、第1工場・第2工場の敷地、社宅敷地、廃棄物仮置場・貯水池・休憩室部分は事業の用に供されているから「放棄した部分」に当たらないとした。他方、社宅北側の花壇・キャンプ場部分や、工場西側の運動場・ゴルフ練習場部分などは、従業員の福利厚生のため事実上利用を許されてきたに過ぎず、事業のために使用されたとはいえないとして、「使用する計画を放棄した部分」に該当すると判断した。工場立地法による緑地規制についても、昭和43年建設の第2工場は適用除外であり、法令上使用されたとの評価は否定された。 裁判所は、該当部分の面積を少なくとも9万平方メートルと認定し、売却価格63億円を面積割合で按分した20億9462万5810円を不法行為に基づく損害賠償額とした。補助参加人の民法580条類推適用による失効の主張や信義則違反・権利濫用の主張はいずれも排斥された。 よって、市長に対し、補助参加人への上記金額及び平成27年10月1日からの遅延損害金の請求を命じる限度で住民らの請求を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。