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下級裁

京都スタジアム建設にかかわる違法公金支出差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ29
事件名
京都スタジアム建設にかかわる違法公金支出差止等請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年7月16日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 本件は、京都府亀岡市の住民である原告らが、京都府及び亀岡市が事業主体となって亀岡駅北土地区画整理事業地内に京都スタジアム(仮称)を建設する整備事業に関して、両被告に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき公金支出の差止めを求めた住民訴訟である。 本件スタジアムは、用地面積約3万3000平方メートル、座席数約2万1610席、事業費約167億円(京都府負担約147億円、亀岡市負担約20億円)を見込む大規模な専用球技場である。京都府内には長年新たな公共スポーツ施設の整備が行われておらず、国際試合等の開催が可能な球技場が存在しないとの懇話会提言を受けて、京都府は平成23年以降、建設候補地の公募等を経て、亀岡市を建設地として選定した。 当初の建設予定地はアユモドキ(国指定天然記念物・国内希少野生動植物種)の生息地である曽我谷川産卵場に近接していたため、日本魚類学会等から白紙撤回を求める意見が出された。そこで京都府及び亀岡市は、専門家会議の座長提言を受け、平成28年8月、建設位置を変更前用地から河川を挟んで南に位置する変更後用地(亀岡駅北土地区画整理事業用地)に変更することを決定した。 原告らは、①本件事業は費用便益分析に誤りがあり経済的合理性も必要性も欠いているから公金支出は地方自治法2条14項・地方財政法4条1項に違反する、②本件事業はアユモドキの生存を脅かし文化財保護法125条1項、種の保存法9条・54条2項、京都府条例等に違反するから、これに公金を支出することは財務会計上違法である、と主張した。 【争点】 争点は、①本件事業が必要性・経済的合理性を欠き、公金支出が地方自治法2条14項、地方財政法4条1項に違反するか、②本件事業が文化財保護法125条1項、種の保存法9条・54条2項、京都府条例等に違反するか、である。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。 争点①について、地方公共団体の長による公金支出の判断は、事業の目的、必要性、社会的・経済的要因等を総合考慮した合理的裁量に委ねられており、判断の基礎事実に誤認があるなど全くの事実の基礎を欠く場合や、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかである場合に限り違法となる(最高裁平成25年3月28日第一小法廷判決参照)との判断枠組みを示した。その上で、西京極スタジアムが開場から70年以上経過し専用球技場でないことから本件スタジアム新設の必要性は認められ、京都府が国土交通省「大規模公園費用対効果分析手法マニュアル」に基づき行った費用便益分析(便益約290億円、費用約193億円、費用便益比1.51)について、専用マニュアルが存在しない中で他自治体も同マニュアルを用いていること、旅行費用法による便益算定も相当であること、Jリーグ1試合平均1万人の来場者予測も過去実績とかけ離れていないことから、いずれも不合理とはいえないとした。亀岡市についても、京都府の費用便益分析の結果は亀岡市にも妥当するとして独自分析を行わないことは違法とならないと判示した。 争点②について、用地変更により直接的影響は回避され、専門家会議の検証及び環境評価によれば、無排土鋼管杭埋設工法の採用等の措置により地下水・騒音・振動等のアユモドキへの影響は軽微であると認められ、予防的退避場の設置やモニタリング体制も整備されているから、本件事業はアユモドキの現状変更・保存に影響を及ぼす行為に当たらず、文化財保護法125条1項の文化庁長官の許可や種の保存法54条2項の環境大臣との協議は不要であり、本件条例・計画の趣旨にも反しないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。