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行政

土地の使用許可申請不許可処分取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ237
事件名
土地の使用許可申請不許可処分取消等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年7月18日
裁判官
松永栄治宮端謙一渡邊直樹

AI概要

【事案の概要】 原告は、平成19年に大阪市の区長から住民票の消除処分を受けた後、大阪市内を流れる河川の河川区域内の土地(本件土地)に「D」と称する工作物(本件工作物)を設置し、これを居所として生活していた。原告は平成29年6月、河川管理者である国土交通省近畿地方整備局長に対し、河川法24条に基づく本件土地の占用許可および同法26条1項に基づく本件工作物の新築許可を申請したが、同年7月に不許可処分を受けた。また、原告は大阪市の区役所に転入届を提出したがこれも不受理処分とされ、同年10月の衆議院議員総選挙では選挙人名簿に登録されていないため投票できなかった。 そこで原告は、被告国らに対し、(1)本件不許可処分の取消しおよび国有地につき住居を有するための使用権の確認、(2)不許可処分が取り消されることを前提に、次回の衆議院議員総選挙および憲法改正国民投票で投票できる地位の確認、(3)仮に不許可処分が取り消されない場合でも、住所を有する日本国民に限って選挙権を認める公職選挙法21条1項等は憲法13条・14条1項・15条・44条ただし書および国際人権B規約25条に反して無効であるとして、ホームレスのまま投票できる地位や選挙人名簿登録を求める義務付け等、(4)立法不作為による国家賠償として慰謝料5000円の支払、を求めて本件訴えを提起した。 【争点】 本案前の争点として各請求に係る訴えの適法性(確認の利益・法律上の争訟性等)が問題となり、本案の主要争点は、(1)河川法24条・26条1項に基づく本件不許可処分の適法性、(2)公職選挙法21条1項が選挙人名簿への登録要件として住所要件を定めていることの憲法および条約適合性、(3)憲法改正手続法22条1項の憲法適合性、(4)住所を有しない者の選挙権行使のための立法措置を怠った国会の立法不作為の国家賠償法上の違法性である。 【判旨】 裁判所は、まず原告の請求のうち請求2、3、5から10までに係る訴えをいずれも不適法として却下した。請求2・3については、仮に不許可処分が取り消されて住民基本台帳に記録されたとしても、選挙人名簿・投票人名簿への登録は原則として職権で行われ、万一登録されなかった場合も異議申出等の救済手段が存在するため、現時点で確認の利益を認めるに足りる危険・不安定な状態は生じていないとした。請求6・7については、住所を有さず住民基本台帳に記録されない状態で選挙権・投票権を行使することは、現行の公職選挙法・憲法改正手続法の解釈によっては導き出せず、原告の求める地位は国会が新たに立法しなければ成立し得ないものであって、法令の適用により終局的に解決できる「法律上の争訟」に当たらないとした。請求5・8・9・10についても、より適切な救済手段が存在すること等を理由に不適法とした。 本案についてはいずれも棄却された。請求1・5関係では、河川法24条・26条1項は占用・新築の許可基準を特段規定しておらず、河川管理者の合理的裁量に委ねる趣旨と解されるところ、本件占用許可準則および本件設置許可基準に照らし、原告は占用主体に該当せず、本件工作物は河川区域内に設ける以外に方法がない場合にも該当しないとした近畿地方整備局長の判断は、重要な事実の基礎を欠くとも社会通念に照らし著しく妥当性を欠くともいえないとして、本件不許可処分を適法と認めた。住居を有するための公共用物の使用権が憲法13条・22条1項により当然に保障されているとは解されず、代替地を指定しなかったことも憲法31条に反しないとした。 請求4(国家賠償)についても、公職選挙法21条1項が選挙人名簿の被登録資格に住所要件を求めているのは、住民基本台帳の記録と結び付けることで不正投票や二重登録を防止し、選挙人名簿の正確性を確保する趣旨であり、選挙の公正の確保という要請に沿うものとして立法裁量の範囲内の合理性を有すると判断した。ホームレス自立支援特別措置法や生活困窮者自立支援法により、住居を持たない国民が住宅扶助や住居確保給付金等を利用して住所を確保し選挙権を行使できる制度的整備が進められていることも踏まえ、住所要件を改正しないことが国会の立法措置として合理性を欠くとはいえず、同項が憲法およびB規約25条に違反することが明白であるとは認められないから、立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法となるものではないとした。 本判決は、住民登録と選挙権を結び付ける現行制度の合憲性を改めて確認し、ホームレスの選挙権保障は裁判所による法解釈ではなく立法措置によって実現されるべき課題であることを示した点に意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。