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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ケ10037
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年8月7日
裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉山門優

AI概要

【事案の概要】 本件は、ジュエリーブランド「ケンキクチ」を展開する原告が、自らの氏名「菊池健」を基にしたロゴマークを商標登録出願したところ、特許庁から拒絶査定を受け、さらに拒絶査定不服審判でも請求が成り立たないとの審決がなされたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。 原告は、平成12年頃からハンドメイドのジュエリーブランド「ケンキクチ」を立ち上げ、国内14店舗、海外4店舗を展開するまでに成長させた。平成29年5月、原告は、翼を広げた鷲又は鷹を黒色のシルエットで表した図形の中に「KENKIKUCHI」の欧文字を白抜きで表した結合商標を、第14類の貴金属製品・身飾品、第18類のかばん・革製品、第25類の被服・履物を指定商品として出願した。 しかし、特許庁は、本願商標中の「KENKIKUCHI」の文字部分が「キクチ・ケン」と読まれる氏名をローマ字表記したものと認識されるところ、「菊池健」という氏名の者が各地域のハローページに掲載されており、これら他人の承諾を得ていないから、商標法4条1項8号(他人の氏名等を含む商標の不登録事由)に該当するとして、登録を認めなかった。 【争点】 本願商標が、他人の氏名を含む商標として商標法4条1項8号に該当するか否かが争点である。具体的には、ローマ字表記された氏名が同号の「他人の氏名」に含まれるか、ブランドとしての周知性や他人の著名性・希少性の有無を考慮すべきか、という解釈論が争われた。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。 まず、本願商標の「KENKIKUCHI」部分は、語頭の「K」の装飾線や語尾の「I」から伸びる線によって、外観上「KEN」と「KIKUCHI」に区別して認識されると認定した。そして、我が国ではパスポートやクレジットカード等で氏名をローマ字・大文字表記することが一般的であり、「キクチ」を読みとする姓(菊池・菊地)と「ケン」を読みとする名(健・建・研・賢等)はいずれもありふれた日本人の氏名であることから、当該文字部分は「キクチ(氏)ケン(名)」を読みとする人の氏名として客観的に把握されると判示した。 次に、商標法4条1項8号の趣旨は、自らの承諾なしにその氏名等を商標に使われないという人格的利益の保護にあるところ、自己の氏名であればローマ字表記されたものであっても本人を指し示すものとして受け入れられている以上、同号の「氏名」にはローマ字表記も含まれると解した。 その上で、ハローページに掲載された「菊池健」「菊地健」という原告とは別人の氏名が現存し、原告はその承諾を得ていないから、本願商標は同号に該当すると結論づけた。 原告の主張に対しては、同号が「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称」について著名性・周知性を要件としていないこと、人格的利益侵害のおそれ自体を要件とする規定でないことを指摘し、当該商標がブランドとして周知性を有していても、また他人の氏名が著名・希少でなくとも、同号該当性の判断には影響しないと明言した。諸外国の法制や過去の審決例も本件判断を左右しないとされた。 本判決は、自己の氏名をそのままブランド名として使用するデザイナー等にとって、同姓同名の他人が存在すれば原則として商標登録が認められないという厳格な実務運用を追認したものであり、氏名商標登録の高いハードルを改めて示す判断として実務上重要である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。