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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10091
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年8月22日
裁判官
大鷹一郎古河謙一岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 国立大学法人滋賀医科大学(原告)が平成23年に出願した発明「三次元リアルタイムMR画像誘導下手術システム」に対する特許庁の拒絶査定・審決の取消しを求めた審決取消訴訟である。本願発明は、MRI装置、MRIを制御しリアルタイムMR画像をメインワークステーションに伝送するMRワークステーション、マイクロ波デバイスの位置を特定する磁気トラッキング装置や光学式位置センサー、マイクロ波デバイス制御用の制御ワークステーション、これらの画像と位置情報を統合するメインワークステーションから構成され、術者が生体内部状況とデバイス位置をリアルタイム画像で確認しながら手術できることを特徴とする。原告は拒絶査定を受けて不服審判を請求したが、特許庁は特開2008-18172号公報に記載の発明(引用発明)および周知技術に基づき当業者が容易に発明できたものとして特許法29条2項により拒絶すべきとの審決をした。原告は、引用発明との一致点・相違点の認定、相違点1・3の容易想到性、効果の顕著性の判断に誤りがあると主張した。 【争点】 主たる争点は、引用発明との一致点・相違点の認定の適否、ワークステーションをMR用とメイン用に分ける構成(相違点1)およびマイクロ波デバイスを術具とする構成(相違点3)の容易想到性、ならびに本願発明の効果の顕著性である。特に、引用発明のボリュームレンダリング画像が本願発明の「三次元リアルタイムMR画像」に相当するかが中心的論点となった。 【判旨】 知財高裁第4部は原告の請求を棄却した。本願発明の「三次元リアルタイムMR画像」は、臓器内部構造を透視状態で見られる立体的画像を意味するところ、引用発明のボリュームレンダリング画像も物体内部形状を三次元表示するもので、両者は実質的に一致すると判断した。また、複数の制御を1台か複数のワークステーションで行うかは当業者の設計的事項にすぎず、相違点1の構成は容易想到と認めた。相違点3についても、MR画像ガイド下でマイクロ波デバイスにより肝腫瘍等を凝固・切断する手術は出願当時周知であり、引用発明の術具としてマイクロ波デバイスを選択する動機付けがあると判断した。原告が主張した阻害要因についても、マイクロ波デバイスには穿刺針型もあり、マーカー搭載により術具先端位置の検出は可能であるから、警告手段達成の妨げにならないとした。効果の顕著性についても、「予め取得した生体内画像との比較」は特許請求の範囲に記載されておらず、その余の効果は引用発明等から当業者が予測し得る程度のものにすぎないとして、本件審決に誤りはないと結論付けた。本件は、医療機器分野における技術的特徴の認定と進歩性判断につき、明細書の記載と周知技術の参酌方法を示した実務上参考となる一例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。