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下級裁

公文書部分開示決定取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ26
事件名
公文書部分開示決定取消請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年8月27日
裁判種別・結果
その他

AI概要

【事案の概要】 原告が城陽市情報公開条例に基づき、城陽市教育委員会に対し、同市が被告となった別件土地明渡訴訟(京都地裁平成27年(ワ)第1784号)の第1審判決書正本の開示を請求した事案である。別件訴訟は、市が「東城陽ふれあいスポーツ広場」の敷地として賃借していた土地について、所有者兼賃貸人が賃貸借契約の終了を主張して土地明渡しと賃料相当損害金の支払を求めたもので、主要な争点の一つが、市がグラウンド整備のために投じた資金によって生じた土地価値の増加額(有益費)であった。この有益費の立証のため、原告側・被告側双方から、それぞれ不動産鑑定士が作成した鑑定書計4通が証拠提出されていた。 城陽市教育委員会は、判決書の一部を非開示とする部分開示決定を行い、原告に墨塗り済みの写しを交付した。非開示とされたのは、別件原告側が主張する土地価値増加額(2通の鑑定評価額の差額、不開示情報1)、鑑定書作成者である不動産鑑定士の氏名(不開示情報2)、別件原告側鑑定書の鑑定内容が判決書に引用された部分(不開示情報3)の3か所である。市側は、鑑定書が著作物に該当し鑑定事務所・鑑定士の承諾なく公表することは権利侵害となること、鑑定士氏名は個人情報であり公表により批判対象となるおそれがあること、開示により係属中の控訴審での和解協議や賃貸人との契約関係に支障を来すことなどを理由に挙げた。原告は、本件部分開示決定の取消し(行政事件訴訟法3条2項)と、非開示部分の開示の義務付け(同条6項2号)を求めて出訴した。 【争点】 各不開示情報が、城陽市情報公開条例7条2号(個人情報)、同条3号(法人等の正当な利益を害するおそれのある情報)、同条5号イ(争訟に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのある情報)に該当するかが争われた。特に、訴訟に証拠として提出された鑑定書の内容が判決書に引用された部分について、鑑定事務所・鑑定士の著作権が及ぶか、判決書を通じた開示が鑑定書そのものの公表に当たるかが中心的な論点となった。 【判旨】 請求認容。裁判所は、不開示情報1から3までのいずれについても条例所定の不開示事由には該当しないと判断し、部分開示決定のうち当該部分を不開示とした処分を取り消した上で、開示の義務付けを命じた。 不開示情報1(価値増加額の差額)については、2通の鑑定評価額の単なる差額を記載したにすぎず、思想または感情の創作的表現たる著作物(著作権法2条1項1号)には当たらず、鑑定書の公表にも当たらないとして、鑑定事務所・鑑定士の正当な利益を害するおそれはないとした。 不開示情報2(鑑定士の氏名)については、不動産鑑定士の資格を持つ者が業務として作成した鑑定書に、事務所名とともに肩書を付して記載した氏名は、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」に当たり、条例7条2号本文の個人情報から除外されると判示した。また、訴訟の証拠として提出することを前提に作成した以上、判決書に氏名が引用されることも当然想定されていたとして、7条3号該当性も否定した。 不開示情報3(鑑定内容の引用部分)については、鑑定書自体は言語の著作物たり得るとしても、裁判所の判決は著作権の目的とならない(著作権法13条3号)ところ、判決中でその判断に必要な範囲で引用される限りは著作権の目的とはならないと解するのが相当であると判示し、著作権侵害の主張を退けた。そして、判決書は公共性・公益性を有し広く報道や判例雑誌等で公表されることもあることから、引用部分の開示により鑑定事務所・鑑定士の正当な利益を害するおそれは認められないとした。さらに、7条5号イ該当性についても、鑑定書そのものの開示ではない以上、関係者の事前承諾は要せず、別件原告との信頼関係悪化や控訴審での和解協議への支障も認められないとして被告の主張を排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。