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知財

不正競争行為差止請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10002
事件名
不正競争行為差止請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年8月29日
裁判官
大鷹一郎古河謙一岡山忠広
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、医療現場で手術後の患者の体内に残留した体液等を体外に排出するために使用される携帯用ディスポーザブル低圧持続吸引器をめぐる不正競争行為差止請求事件の控訴審である。控訴人(住友ベークライト株式会社)は、昭和59年から「SBバック」の商品名で排液ボトルと吸引ボトルの2つの透明ボトルを組み合わせた独自形態(以下「2ボトル形態」)の商品を販売してきた。約34年間にわたり、この形態の同種商品は控訴人の原告商品以外に存在しない状況が続いていた。ところが、平成30年1月頃、被控訴人(日本コヴィディエン株式会社)が、「Argyle マルチチャネル ドレナージ ポンプ」との商品名で、排液ボトル・吸引ボトルの配置、寸法、集液ポートや連結チューブの構造等に至るまで原告商品と酷似する形態の被告商品の販売を開始した。控訴人は、原告商品の形態が控訴人の商品等表示として需要者に広く認識されており、類似の被告商品の販売は原告商品との混同を生じさせる行為として不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当すると主張し、被告商品の製造販売等の差止めと廃棄を求めて提訴した。原審(東京地裁)は、原告商品の形態の周知性および被告商品形態との類似性は認めたものの、医療機器の取引実情からは混同のおそれは認められないとして請求を棄却した。控訴人はこれを不服として控訴するとともに、当審において同項2号(著名表示の冒用)の主張を追加した。 【争点】 主たる争点は、(1)原告商品の形態が控訴人の商品等表示として周知といえるか、(2)原告商品と被告商品の形態が類似するか、(3)被告商品の販売が原告商品との「混同を生じさせる行為」に該当するか、(4)同項2号の不正競争が成立するか、である。特に、需要者が医療従事者という専門家であり、商品名や品番による管理、臨床試用を経た慎重な選定プロセスがあるという医療機器特有の取引実情の下で、商品形態による混同が生じ得るかが最大の争点となった。 【判旨】 知財高裁第4部は、原判決を変更し、被告商品の譲渡等の差止めと廃棄を認めた。原告商品の2ボトル形態は、約34年間にわたり控訴人が継続的・独占的に使用し、被告商品の販売開始時点には医療従事者の間で出所識別機能および周知性を獲得していたと認定した。形態の類似性については、セイフティーロック機構の有無等の差異は一見して判別しない細部の相違にすぎず、両商品は極めて酷似すると判断した。混同のおそれについては、医療機器の取引実情を詳細に検討したうえで、臨床試用や商品名による管理が行われる一方で、バーコード管理やSPD委託は全医療機関に及んでおらず、「一増一減ルール」も小規模医療機関では徹底されていないこと、両商品が消耗品でカタログ・オンラインショップ販売される形態が共通することなどから、医療従事者が商品画像を通じて被告商品の形態に接した場合に出所の同一性について誤認するおそれがあると認めた。よって被告商品の販売は不競法2条1項1号の不正競争に該当する。もっとも、同号は「製造」を不正競争として規定していないため、製造差止請求は認められないとした。本判決は、医療機器という専門家向け商品であっても、長期独占使用された独自形態が商品等表示として保護され得ることを明確にした事例として、商品形態の保護範囲に関する実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。