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行政

一般乗合旅客自動車運送事業事業計画変更認可処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ149
事件名
一般乗合旅客自動車運送事業事業計画変更認可処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年8月30日

AI概要

【事案の概要】 本件は、岡山市内で路線バス事業(一般乗合旅客自動車運送事業)を営む事業者Cに対し、処分行政庁が道路運送法15条1項および同法9条1項に基づき、平成30年2月8日付で路線新設に係る事業計画変更認可(本件処分1)および上限運賃設定認可(本件処分2)を行ったことに関し、岡山市内外で同種事業を営む原告Dおよび同市内で乗合バス事業と軌道事業(路面電車)を営む原告Eが、Cの新設運行路線は自社路線と競合し、これらの認可処分には道路運送法の認可基準に反する違法があると主張して、本件各処分の取消しを求めた事案である。 原告らは既存事業者として長年岡山市内で路線バスや路面電車を運行してきたが、Cが新規に設定する路線(ε線)は原告Dの運行するθ線と停留所や区間が重複し、原告Eの軌道路線とも競合する状況にあった。特にCが設定した実施運賃は原告らより大幅に低廉であり、原告らは年間約1億6000万円(原告D)、約1億1200万円(原告E)の減収を余儀なくされ、黒字路線の収益で赤字路線を維持してきた内部補助の仕組みが崩れ、地域公共交通網そのものが崩壊しかねない旨を主張した。被告側は、原告らには本件各処分の取消しを求める原告適格がないとして本案前の抗弁を提出した。 【争点】 本件の中心的争点は、新設路線と競合する既存バス事業者である原告らが、他事業者への事業計画変更認可処分(争点①)および上限運賃設定認可処分(争点②)の取消しを求める原告適格を有するか否かである。具体的には、道路運送法15条1項および9条1項が、既存事業者の営業上の利益を一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、個別的利益としても保護する趣旨を含むと解し得るかが問題となった。 【判旨】 本件各訴えをいずれも却下した。判決は、行政事件訴訟法9条および最大判平成17年12月7日の判断枠組みを前提に、処分の根拠法規の文言・趣旨・目的、関係法令、侵害される利益の内容・性質等を総合考慮して判断した。 まず本件処分1の根拠である道路運送法15条1項については、同法は平成12年改正により需給調整規制を廃止して免許制から許可制に移行し、同法1条からも「公正な競争の確保」との文言が削除された経緯がある。現行の同法6条が定める許可基準(輸送の安全、事業の適切性、遂行能力)からは、既存事業者の営業上の利益を個別的に保護する趣旨を読み取ることは困難であり、同法は輸送の安全確保と利用者の利益保護を目的とするものと解される。 原告らが根拠として主張したクリームスキミング的運行の排除基準についても、処理要領上の「クリームスキミング」は利用者の利便性低下を防ぐ観点から規制されるものであり、既存事業者の営業上の利益は明示的に考慮対象とされていない。また道路運送法30条2項の「健全な発達を阻害する結果を生ずるような競争」の禁止規定も、過当競争による安全性・サービス低下を防ぐ趣旨であって、通常の市場原理による競争は許容されるものであり、競業者の利益は反射的に保護されるにとどまる。交通政策基本法および地域公共交通活性化再生法についても、既存事業者の営業上の利益を個別的利益として保護する具体的規定は見当たらないと判示した。 本件処分2の根拠である道路運送法9条1項についても、同規定は事業者が不当に高い運賃を設定して過剰利潤を得ることを防止し利用者の利益を保護することを趣旨とするものであり、既存事業者の営業上の利益を個別的利益として保護する趣旨は含まないとした。 以上から、原告らはいずれの処分についても原告適格を欠き、本件各訴えは不適法であるとして却下された。本判決は、平成12年改正以降の道路運送法下における競業者の原告適格を否定した点で、規制緩和後の交通事業者訴訟の帰趨を示すものとして実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。