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下級裁

覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

判決データ

事件番号
平成30わ1002
事件名
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2019年9月2日

AI概要

【事案の概要】 カナダ在住の被告人が、覚せい剤約3127.6グラム(約3.1キログラム)をカンボジアから大韓民国経由で日本に持ち込み、札幌のd空港で税関を通過しようとして摘発された事案である。被告人は、平成26年7月頃から、ナイジェリア中央銀行総裁を名乗る者らから「相続財産1000万米ドルを受け取る権利がある」との誘いを受け、4年余りにわたりメール等でやり取りを重ねていた。この間、度々手数料等を支払わされながら金銭は全く受け取れず、被告人自身も疑念を抱くようになっていた。平成30年10月、相続財産の4割を渡せば経費負担がなくなるとの提案を受けてこれに応じ、日本で相続財産を受け取るための書類に署名する名目でカンボジアに渡航。渡航費用や宿泊費は全て相手方が負担した。カンボジア滞在中、被告人は「秘書」を名乗る女性から、相続財産受取に必要とされる書類の入ったボストンバッグを受け取ったが、バッグ内には自身に不要なリュックサックや女性物の衣類も入っていた。また、関係者から税関申告書に預かり品はないと虚偽回答するよう指示を受けていた。覚せい剤は、バッグ内リュックサック2個の背あて内部に縫い込んで隠匿されていた。 【争点】 争点は、被告人が本件バッグに覚せい剤を含む違法薬物が隠されているかもしれないと認識していたか、すなわち未必の故意の有無である。被告人は、バッグには相続財産受取に必要な書類が入っており、それ以外の在中品には特段注意を払わず、違法薬物が隠されている可能性は全く考えなかったと主張して知情性を否認した。 【判旨(量刑)】 札幌地裁は、被告人に懲役9年及び罰金400万円を言い渡した(求刑:懲役12年及び罰金500万円)。裁判所は、相続財産受取の話に被告人自身度々疑念を抱いていたこと、バッグやその外見上分かる在中品は相続財産受取と無関係で価値もないと理解していたこと、税関申告書に虚偽記載するよう指示されていたこと、渡航費用等の相当額が相手方負担であったこと等を総合し、被告人はバッグ受取時点で、秘密裏に日本へ持ち込もうとする物として覚せい剤を含む違法薬物を想定していたと推認できるとして、未必の故意を認定した。量刑においては、覚せい剤約3.1キログラムという多量かつ隠匿方法も巧妙で、我が国に覚せい剤の害悪を拡散する現実的危険性の高い組織的密輸事案として悪質であり、被告人は運搬役という必要不可欠な役割を担ったと評価した。他方、被告人は莫大な遺産受領の話に乗せられて海外に渡航した末に未必的故意の下で加担するに至ったもので、確たる密輸の意思を持った犯行ほど悪質とはいえないことを一定程度考慮した。もっとも、自らの意思で犯行に及び、これを拒むことに障害や困難はなかったとしてさほど有利に酌むことはできず、知情性を否認し反省の態度が見られないことも踏まえて主文の量定に至った。なお、覚せい剤の営利目的輸入罪と関税法違反(禁制品輸入未遂)罪は観念的競合となり、重い覚せい剤取締法違反の罪の刑で処断されている。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。