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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10071
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年9月11日
裁判官
鶴岡稔彦山門優高橋彩
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 人脈関係登録システムに関する特許(特許第3987097号)の特許権者である控訴人(原告)が、DMM GAMESホールディングス(被控訴人)が提供するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に用いられるサーバが、本件特許の請求項1および3に係る発明の技術的範囲に属するとして、不法行為に基づく損害賠償1500万円および遅延損害金の支払を求めた事案である。承継前被告らが運営していたSNSでは、利用者間で友達申請と承諾のやり取りを通じて人間関係を構築する仕組みが採用されていたところ、控訴人は、自身の登録した特許が、第一の登録者と第二の登録者とがメッセージを交換することで友達関係を結び、さらにその関係を通じて「友達の友達」にまで交友関係を広げられる仕組みを保護するものであり、被告サーバはまさにその技術的範囲に属すると主張した。原判決(東京地裁)は、被告サーバが構成要件1D・2Dを充足せず、また均等侵害も成立しないとして請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、(1)被告サーバが文言上本件各発明の技術的範囲に属するか(特に構成要件1D・2Dにおける「送信したとき」の解釈)、(2)文言侵害が認められない場合に均等論による侵害が成立するか、とりわけ均等の第1要件(本質的部分)を充足するかである。本件各発明は、サーバが第二の登録者から合意メッセージを受信し、これを第一の登録者に「送信したとき」に両者を関連付けて記憶する構成を要求する。これに対して被告サーバでは、第二の登録者から承諾通知を受信した時点で先に友達登録処理を行い、その後に第一の登録者へ通知メールを送信する構成を採っていたため、送信と関連付けの先後関係が逆転していた。この先後の違いが文言上の「送信したとき」に含まれるか、また含まれないとしても本件発明の本質的部分から外れた非本質的な相違にとどまるかが争われた。 【判旨】 知財高裁第3部(鶴岡稔彦裁判長)は控訴を棄却した。まず文言侵害については、特許請求の範囲の記載上、「送信したとき」は送信行為が関連付けに先行することを意味すると解されるため、送信より先に関連付けを行う被告サーバは構成要件1D・2Dを充足せず、文言上の技術的範囲には属しないとした。均等侵害についても、第1要件の判断にあたり、本件明細書が挙げる従来技術では解決できなかった課題の記載は、優先日当時の従来技術(乙2に記載された「PlanetAll」における友人の友人システム)に照らして客観的に不十分であるとし、明細書に記載されていない従来技術も参酌して本質的部分を認定すべきであると判示した。その上で、本件発明は主要な点で従来例とほぼ同一の技術を開示するにとどまり、従来技術に対する貢献の程度は大きくないから、本質的部分は特許請求の範囲の記載とほぼ同義のものとして認定するのが相当とし、構成要件1D・2Dを備えない被告サーバは本質的部分を共通に備えておらず、均等の第1要件を充足しないと結論づけた。本判決は、最判平成10年2月24日および最判平成29年3月24日(マキサカルシトール事件)の示した均等5要件を前提としつつ、明細書記載の従来技術が客観的に不十分な場合には、本質的部分の認定が特許請求の範囲に近接し、均等の成立範囲が狭まるとする判断枠組みを具体的に適用した点で、実務上の意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。