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下級裁

(事件名なし)

判決データ

事件番号
平成29ネ72
事件名
(事件名なし)
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2019年9月11日
裁判官
大久保正道本多智子大久保正道
原審裁判所
那覇地方裁判所_沖縄支部

AI概要

【事案の概要】 本件は、沖縄県の嘉手納飛行場(在日米軍嘉手納基地)の周辺に居住し、又は居住していた住民約2万2000名及びその相続人である原告らが、同飛行場に離着陸する米軍機の発する騒音により健康被害等を受けていると主張して、日米安全保障条約・日米地位協定に基づいて米国に本件飛行場を提供している国(被告)に対し、(1)人格権・環境権・平和的生存権に基づく夜間(午後7時から翌午前7時)の航空機離発着禁止及び所定の騒音到達禁止、(2)国家賠償法2条1項に基づく過去の損害賠償(主位的請求)、又は民事特別法2条に基づく同損害賠償(予備的請求)、(3)差止請求が認容されるまでの将来の損害賠償を求めた事案である。嘉手納基地爆音訴訟としてはいわゆる第三次訴訟にあたり、過去2度の訴訟でも基地周辺の航空機騒音が受忍限度を超え違法であるとの司法判断が示されたにもかかわらず、抜本的な騒音対策が講じられないまま提訴に至ったものである。原審(那覇地裁沖縄支部)は、差止請求及び主位的請求(国賠法2条1項)をいずれも棄却し、予備的請求(民特法2条)の一部を認容した。原告ら及び被告の双方が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)米軍機の離発着差止め及び騒音到達禁止請求の可否、(2)航空機騒音による住民の被害(生活妨害・睡眠妨害・精神的被害・健康被害等)が受忍限度を超え違法といえるか、(3)外国籍原告について国家賠償法6条にいう「相互の保証」が認められるか、(4)米軍機騒音被害を認識しながら基地周辺に転入した原告について「危険への接近」の法理による免責又は減額が認められるか、(5)慰謝料額の相当性、(6)口頭弁論終結日以降の将来の損害賠償請求の適否、の諸点である。 【判旨】 控訴棄却・一部変更。差止請求については、最高裁平成5年2月25日判決(横田基地訴訟)の趣旨に従い、国は米軍の航空機運航を直接規制する権能を有せず、在日米軍の運航は我が国の安全保障に直接影響する事項であることを併せ考えると、本件飛行場の運用が被告の支配内にあるとは評価できないとして、人格権等に基づく差止請求を棄却した。損害賠償については、本件コンターのW値ごとに広範な騒音曝露が継続し、生活妨害・睡眠妨害・精神的被害等が生じていると認定し、民事特別法2条に基づく予備的請求を、W95以上2万2500円、W90以上1万8000円、W85以上1万3500円、W80以上9000円、W75以上4500円(いずれも月額)を基準として一部認容した(原審より基準額を減額)。住宅防音工事の実施に応じて減額を行うとし、その上限を30%とした。相互の保証については、米国・中国・韓国・ペルー国籍の原告には保証があるとしたが、フィリピン国籍の原告については国に対する訴え自体が困難であるとして否定し、同原告らの請求を全部棄却した。危険への接近の法理は、原則として免責・減額ともに認めなかったが、爆音訴訟原告となる目的で県外から基地至近の砂辺地区に転居した原告1名については、桑江居住期間3割・砂辺居住期間6割の減額を認めた。口頭弁論終結日(平成31年2月1日)以降の将来の損害賠償請求は、大阪空港訴訟最高裁判決の趣旨に従って不適法として却下した。本判決は、基地騒音訴訟において過去の損害賠償を認めつつ差止請求を認めない一連の判例の流れを踏襲しつつ、2度にわたる違法認定にもかかわらず抜本対策を講じない国側の事情を「特段の事情」として捉え、危険への接近の法理の適用を原則排除した点に実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。