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下級裁

窃盗被告事件

判決データ

事件番号
平成31う60
事件名
窃盗被告事件
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2019年9月17日
裁判官
野島秀夫潮海二郎設樂大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、金塊約160個(重量約160キログラム、時価合計約7億5856万円)及びショルダーバッグ等を窃取したとして、被告人両名が窃盗罪で起訴された事件の控訴審判決である。 事件の背景は、金塊の買付け及び転売を営む会社のオーナーDが、会社資金、ビジネスパートナーからの拠出金、及び別の出資者からの出資金を用いて、会社名義で多額の金塊を購入し、これを転売する目的で、同社従業員2名(A及びB)とビジネスパートナーの部下1名(C)の計3名に金塊を運搬させていたところ、被告人を含む6名の実行犯が、警察官を装う服装(「POLICE」のワッペンや「機捜」の刺しゅうが施されたベスト等)を身に着け、「警察だ。密輸をしているだろう。」などと問いただしたうえ、職務質問を装って携帯電話を提出させたり車内に置いたままにさせて下車させるなどし、本件金塊入りキャリーケース5個及びショルダーバッグ、携帯電話機2台等を持ち去ったというものである。 原判決は被告人両名を有罪と認定したところ、弁護人は事実誤認を主張して控訴した。 【争点】 争点は、(1)金塊を直接運搬していたAらに刑法上の占有が認められるか(上位者Dのみが占有者で、Aらは単なる占有補助者にすぎないのではないか)、(2)Aらが本件持ち去り行為に同意していたのではないか(Dが出資金返還を免れるため関係者と共謀して狂言強盗を仕組んだのではないか)、(3)車内で待機していた被告人乙について、金塊以外のショルダーバッグ等の窃取まで共謀が及んでいたといえるか、の3点である。 【判旨(量刑)】 福岡高裁第3刑事部は、本件各控訴を棄却した。 占有の帰属については、Aらは金塊の購入・売却役を任され、上位者から遠く離れた場所で自己の責任において相当時間にわたり保管・運搬していたのであるから、自らの判断と裁量に基づいて保管・運搬を行っていたといえ、実力的支配が専ら上位者にあってAらの占有が全く排除されていたとはみられず、占有補助者にとどまるとはいえないと判断した。 同意の有無については、犯人らの服装等は通常人であれば警察官と誤認するに足りるものであったこと、Aらが想定外の事態で困惑していたこと、警察への届出までに時間を要した理由(上位者への報告や奪われた携帯電話の位置情報による探索等)にも不自然さはないこと、短時間で手際よく持ち去られた態様はかえって被害者の同意がなかったことを推認させること、盗難保険に加入しておらず出資者への返還債務を多額に負っていることからDに狂言を仕組む合理的動機は認められないこと等を指摘し、同意を否定したAら及びDの供述には高い信用性があると判示した。新証拠に基づく主張も、原審記録に基づかない不適法なものであるうえ、憶測を重ねた客観的根拠を欠くものとして排斥した。 被告人乙に関する共謀の範囲についても、被告人らは金塊の運搬方法や占有者の人数等の詳細を把握していたわけではなく、警察官による職務質問を装って占有者に接触することを当初からもくろんでいたのであるから、金塊以外の携行品の占有を取得する可能性もある程度織り込まれていたと認められ、本件ショルダーバッグ等の窃取も事前の包括的共謀の範囲に含まれると評価できると判示した。 以上より、原判決に論理則・経験則等に照らして不合理な点はなく、事実誤認は認められないとして、刑訴法396条により控訴を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。