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下級裁

難民不認定処分取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ287
事件名
難民不認定処分取消等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年9月17日

AI概要

イラン国籍を有する男性である原告が,法務大臣に対し難民認定申請をしたところ不認定処分を受けたため,処分の取消しと難民認定の義務付けを求めた事案である。 【事案の概要】 原告は平成19年7月,短期滞在の在留資格で本邦に入国し,以後「特定活動」の在留資格を更新しながら在留を続けていた。原告は来日前の平成18年頃から韓国人乗客に渡されたペルシャ語の聖書を読み始めキリスト教に関心を抱き,来日後の平成20年3月にはB教会で洗礼を受け,以後11年以上にわたり毎週日曜日の礼拝に参加し奉仕活動を行うなど熱心な信仰生活を送っていた。また平成19年6月,テヘランでガソリン配給制に反対する抗議デモに参加した経緯もあった。 1回目の難民認定申請は平成21年に不認定とされ,異議申立棄却,取消訴訟も最高裁まで争って平成25年に敗訴が確定した。本件は平成24年4月の2回目申請(本件難民認定申請)に対し同年10月25日付けで行われた不認定処分の取消しを求めるものである。原告は,イスラム教からキリスト教への改宗者であること及びガソリン配給制反対デモへの参加を理由に,帰国すれば迫害を受けるおそれがあり,出入国管理及び難民認定法2条3号の2並びに難民条約1条にいう「難民」に該当すると主張した。 【争点】 原告の難民該当性,すなわち「人種,宗教,国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」(入管法2条3号の2)を有するかが主たる争点である。具体的には,①イランにおけるイスラム教からキリスト教への改宗者の一般的な状況,②原告の信仰の真摯性及び帰国後のキリスト教徒としての活動の見込み,③ガソリン配給制反対デモへの参加により迫害を受けるおそれがあるか,が問題となった。前回判決時点と本件処分時点でのイラン情勢の変化をいかに評価するかも争われた。 【判旨】 東京地裁は,本件難民不認定処分を取り消し,原告を難民と認定することを義務付けた。 判決はまず,本件処分時点である平成24年10月当時のイランの状況について,2009年英国内務省報告書では一般の信者は目立たないように振る舞えば問題にならないとされていたものの,2013年英国内務省報告書や2013年米国国務省報告書では改宗者への嫌がらせ・身柄拘束が目立って増加し,家の教会(民家での集会)が強制捜査の対象とされ,教会リーダー層に限らず一般の信者も逮捕・訴追される蓋然性が高まっていたと認定した。前回判決が前提とした情勢から明確に悪化したと評価したものである。 次に原告の信仰について,来日直後から11年以上にわたりB教会の礼拝に毎週参加し,ペルシャ語での聖書研究も行うなど,その信仰は真摯なものであると認定した。その上で,原告が帰国すれば本邦におけるのと同様に他のキリスト教徒と礼拝や集会を行うことが見込まれ,イラン政府による逮捕,訴追等の蓋然性が高かったとして,「通常人が当該人の立場に置かれた場合に迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱くような客観的事情」が存在したと判断した。 被告が指摘した,原告がイラン大使館を訪ねたこと,自己名義の真正な旅券で出国したこと,入国直後に庇護を求めなかったことについては,いずれも難民該当性を否定する事情とはならないと退けた。ガソリン配給制反対デモへの参加については,大勢の参加者の一人にとどまり迫害の対象とは認められないとしたが,宗教を理由とする難民該当性のみで結論が導かれた。 本件は,前回判決の確定後にイラン情勢の変化を認定し,改宗者の難民該当性を肯定した点で実務上重要な裁判例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。