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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10032
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年9月18日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「稚魚を原料とするちりめんの製造法及びその製品」という発明(本件発明)について特許権を有する控訴人(株式会社グランパレコートドール)が、その専用実施権を設定する契約を締結した被控訴人(株式会社中田水産)に対し、契約上課された特許発明の実施義務および報告義務を履行しなかったとして、債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案の控訴審である。 本件契約では、被控訴人が本件特許の専用実施権を取得し、その対価として毎月末日限りに販売数量に応じた2〜5%のランニング実施料を支払うこと、毎月実施報告書を送付すること、契約違反時の損害額を1000万円と予定することなどが合意されていた。控訴人は、被控訴人が製造販売していた被告製品が本件発明の製造工程に反していること、および契約締結後すぐに製造を開始せず実施料も少額であったことなどを理由に、実施義務の不履行を主張し、約定損害金1000万円および遅延損害金の支払を求めた。 原審(大阪地方裁判所)は、被控訴人は本件発明を実施しており、報告義務違反はあるもののこれによる損害は認められないとして請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 争点は、(1)被告製品の製造工程が本件発明の製造工程に反するものか、(2)被告製品の製造販売が実施義務の履行として十分なものでなかったか、(3)報告義務違反の有無、(4)損害の有無および額の4点であった。控訴審では特に、被告製品に粗熱をとって冷ます工程が含まれていることや、イノシン酸および水分の含有量が本件発明の製造方法に従って製造された製品と比較して少ないことをもって、本件発明の目的である旨味成分の維持が達成されていないといえるかが重点的に争われた。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴人の主張をいずれも退け、本件控訴を棄却した。 実施義務については、専用実施権の設定契約においては、自ら実施できず他者への実施許諾もできない特許権者が特許維持費用を負担する一方、専用実施権者のみが独占的実施による収益機会を有するという双方の法的地位に照らし、専用実施権者が本件発明を実施する義務を負う旨の黙示の合意があったと認めた。もっとも、実施義務の具体的内容は一義的に定まるものではなく、契約の趣旨および実施品の製造販売に係る被控訴人の態度を総合的に検討して判断すべきとした。 その上で、被告製品の製造工程が本件発明の製造工程に反するとの主張については、控訴人が提出したイノシン酸および水分の含有量に関する愛媛県産業技術研究所の成績表は、試験に供された被告製品が賞味期限から1年3か月以上経過していたこと、その間の保存状況を明らかにする客観的証拠がなく、むしろ解凍と冷凍を繰り返した状態であったことがうかがわれることから、被告製品の状態を的確に示す証拠とはいえないとして、控訴人の主張を前提を欠くものとして排斥した。 また、被告製品の製造販売が実施義務の履行として不十分であったとの主張についても、契約締結後の対応や実施料の額を勘案しても、本件事実関係の下で実施義務の不履行があったと評価することはできないとした。 報告義務違反については被控訴人の不履行を認めたが、これによる控訴人の損害は認められず、賠償額予定条項によらず一般原則によったとしても損害の発生を認めるに足りないとして、請求には理由がないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。