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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10151
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年9月18日
裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉菅洋輝

AI概要

【事案の概要】 原告パラマウントベッド株式会社は、平成25年に「ギャッチベッド用マットレス」という名称の発明について特許出願をした。ギャッチベッドとは、背もたれや脚部を起こすことができる医療・介護用のベッドであり、本願発明はその上に載せるマットレスに関するものである。本願発明1の特徴は、マットレス本体のうち「ベッド使用者の大腿部に対応する位置」に、「腰部及び背部に対応する位置の素材よりも硬い素材」を配置した点にある。これにより、背上げ動作をした際に利用者の身体がベッドの足下方向にずり落ちにくくなり、座位姿勢でも骨盤が立った姿勢を取りやすくなるという効果が得られるとされる。 特許庁は、本願発明が引用文献1(特表2001-519186号公報)に記載された発明に基づき当業者が容易に発明し得たものであるとして、拒絶査定をした。原告はこれに対し拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は平成30年9月11日に請求不成立の審決をした。本件は、原告がその審決の取消しを求めて提起した審決取消請求訴訟である。 【争点】 争点は、(1)進歩性判断の当否、具体的には、(ア)引用発明の認定が事後分析的で誤っているか、(イ)コア458を「マットレス本体」、頂部及び底部キルティングパネルを「カバー」とする対比が誤っているか、(ウ)引用発明における第1ブロックと第2ブロックの堅さの大小関係につき3通りある選択肢の中から本願発明1に相当するもの(第2ブロック>第1ブロック)を選ぶことが容易想到といえるか、(2)シートブロック494に関する認定判断が審決で初めて示されたことが拒絶理由通知の欠如による手続違背に当たるか、である。 【判旨】 知財高裁第3部は、原告の請求を棄却した。まず引用発明の認定について、引用文献1には多種多様な部材選択と組合せが示されているものの、家庭等での個人使用では適切な硬さの組合せが既に決定されているため、4通りの使用方法等は一体不可分の必須技術思想ではなく、「所望であれば」「好適には」として具体的に例示された組合せを抽出することに支障はないとした。対比の誤りについても、特許請求の範囲上「マットレス本体」が複数部材の接合一体物に限られるとの解釈は根拠がなく、キルティングパネルのクッション性は「幾分か」にとどまるから「カバー」に相当するとの判断に誤りはないとした。 容易想到性については、堅さの大小関係の場合分けは3通りしかなく、引用文献1の段落【0137】にその3通りが明記されている以上、そのうちの一つを選択することに特段の技術思想を要せず、当業者が適宜なし得るとした。原告主張の作用効果(身体がずれない、骨盤が立つ)についても、引用発明で選択肢aを採用すれば本願発明1の硬さの大小関係が満たされ、同効果は物理的に明らかで当業者の予測範囲内とした。ボックススプリング必須との主張やフラット型前提との主張、阻害要因の主張もいずれも退けた。また、本願発明1は相対的な硬さの大小関係を特定するものであり、腰部側が「付加的支持」をなす堅さであっても、大腿部側よりわずかに柔らかければ権利範囲に含まれるから、引用発明で第1ブロックを柔らかくする構成を選ぶことに阻害要因はないとした。 手続違背の主張についても、シートブロック494は選択肢a~cのいずれにおいても第1・第2ブロックより柔らかく、容易想到性判断に実質的影響を及ぼさないうえ、原告自身が審査段階の意見書でシートブロックの硬さに言及していたから、不意打ちには当たらないとして排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。