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行政

原因者負担金負担命令取消請求事件

判決データ

事件番号
平成28行ウ223
事件名
原因者負担金負担命令取消請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年9月26日
裁判官
松永栄治森田亮大塚穂波

AI概要

【事案の概要】 本件は、原告会社が大阪府南河内郡の一級河川A川沿いに所有する土地で河川沿いの工事を行った結果、設置したコンクリートブロックや既設擁壁、盛土、さらにA川の護岸の一部が河道内に崩落した事故をめぐり、大阪府富田林土木事務所長が河川法67条に基づき応急対策工事費用約297万5000円の全額を原告に負担させる原因者負担金負担命令を発したため、原告がその取消しを求めた行政訴訟である。 原告代表者の妻は平成24年11月に本件土地を含む9筆の土地を購入し、原告はこれを資材置場として利用することとした。原告は平成24年11月から翌年1月頃にかけて、既設擁壁の上に1辺約90cm・重さ約1.55tの立方体コンクリートブロック(通称「サイコロブロック」)を延長約130mにわたって3段積み重ねて設置し、その南側を盛土で埋め、敷地全体に砕石を敷き詰める工事を行った。もっとも、本件土地は河川保全区域内にあり、河川法55条1項の許可を要する工事であったが、原告はその認識を欠き無許可で施工した。 平成25年6月26日午後2時頃、連続雨量67mmの降雨の中、本件ブロック等が延長約77mにわたりA川河道内に崩落し、護岸も一部崩壊する事故が発生した。 【争点】 主な争点は、(1)本件工事が本件事故の原因であったか、(2)応急対策工事費用の全額を原告に負担させた本件処分に裁量権の逸脱濫用があったか、の二点である。原告は、既設擁壁や護岸の経年劣化・降雨・河川整備の不備等が原因である可能性を指摘し、円弧滑り計算による安全率評価は土質が均一な人工斜面にしか妥当しないと主張した。 【判旨】 大阪地裁は請求を棄却した。 因果関係について、本件斜面は昭和61年2月頃から本件工事までの約27年間、本件事故当日を上回る雨量の降雨を複数回経験しながら崩壊しなかったのに対し、本件工事のわずか半年余り後に一般に想定される範囲内の降雨で崩壊しており、他に原因と考えられる事情(河床洗掘・屈曲部・水衝部・経年劣化等)は認められないと認定。さらに、被告が実施した円弧滑り計算によれば、本件工事前の安全率は1.102〜1.215であったのに対し工事後は0.973〜1.087に低下し、工事により斜面の安定性が有意に害されたことが土木工学的にも裏付けられるとして、本件工事が本件事故の原因であったと認めた。 裁量権については、河川法67条の「その必要を生じた限度において」との規律は、他の工事と併せて付加工事を行った場合にその付加部分を除外する趣旨にすぎず、必要を生じた限度では原則として費用の全部を原因者に負担させることができると解釈。特定原因者に全額負担させる命令が違法となるのは、複数の原因者の関与等の特別の事情があり、全額負担が社会通念上著しく妥当を欠く場合に限られるとした。本件では原告が無許可で測量・図面作成もせず工事を行って斜面の安定性を低下させ事故を発生させたものであり、裁量権の逸脱濫用は認められないとして、本件処分を適法と判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。