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知財

販売差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ30619
事件名
販売差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年9月27日
裁判官
柴田義明佐藤雅浩古川善敬

AI概要

【事案の概要】 原告(ブランテック株式会社)は、冷凍・冷蔵・解凍機器等を活用したエネルギー事業を行う会社であり、生鮮海産物の鮮度保持方法の開発を進めていた。原告の前身会社ブランパルクは、平成27年10月から11月にかけて、飽和食塩水(塩分濃度約23%)を凍結させた濃塩水氷を製造し、その氷のスラリーに魚を浸漬すると瞬間的に凍結し、解凍後も鮮度・味が良好であることを実験で確認した。 ブランパルクは、この濃塩水氷を製造するための製氷機や冷凍設備の開発が必要であったため、製氷機メーカーである被告(アイスマン株式会社)に共同開発を提案し、平成27年11月11日、「海水(飽和食塩水)瞬間冷凍設備」を共同開発する旨の甲5協定書を締結した。同協定書第6条3項は、被告が原告の事前承諾なく「本件特許権もしくはノウハウを活用した機械」を第三者に販売することを禁じていた。その後、ブランパルクは平成28年2月29日に原告を設立し、関連事業を原告に移転した。 被告は、平成28年3月頃に株式会社KIYORAきくちに、平成29年6月頃に株式会社三陽に、原告の承諾を得ずに濃塩水氷の製氷装置(型式「SF」の製氷機)を販売した。そこで原告は、被告の販売行為が甲5協定書に違反するとともに、原告の営業秘密である「ドラム型製氷機で飽和食塩水を瞬間凍結させる際の冷媒使用条件」(本件ノウハウ②)を不正使用したものとして不正競争防止法2条1項7号に該当すると主張し、製品の製造販売等の差止め、廃棄、及び6000万円の損害賠償を求めた。 【争点】 主たる争点は、被告製品が甲5協定書第6条3項の「本件特許権もしくはノウハウを活用した機械」に該当するか(本件ノウハウ①すなわち「塩分濃度13.6〜23.1%の塩水を凍結させた氷を用いる鮮度保持方法」との関係)、及び被告が原告の営業秘密である本件ノウハウ②(冷媒使用条件)を原告から開示され、これを使用したといえるかである。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 第一に、甲5協定書違反の点について、被告製品である型式「SF」の製氷機は、本件ノウハウ①が確定した平成27年11月16日より前の同年10月31日頃から販売が開始されていたこと、また既存の型式「WB-S」の製氷機(平成25年12月頃から販売)と基本的な性能・構造が同一で、本件ノウハウ①の塩分濃度範囲の塩水による製氷が可能であったことから、本件ノウハウ①を「活用した機械」には該当しないと判断した。すなわち、協定書の第6条3項にいう「機械」とは、当該ノウハウを前提に新たに開発された機械を指すと解すべきであり、ノウハウ完成前から存在する機械は含まれないとした。 第二に、不正競争防止法違反の点について、原告が本件ノウハウ②を被告に開示したと主張する平成29年4月28日付けメール及び添付された「甲10データ」には、冷媒条件に関する具体的な項目や数値、本件ノウハウ②との関連性を説明する記載がなく、被告が本件ノウハウ②の具体的内容を認識し得たとは認められないと判示した。また、被告の標準仕様である冷媒蒸発温度マイナス40度は原告主張の範囲外であり、冷媒蒸発温度マイナス65度の冷凍機も一般流通していることから、本件ノウハウ②の完成前から同様の条件での製氷が技術的に可能であったと認定した。よって、被告が本件ノウハウ②を「使用」又は「開示」した事実は認められず、不正競争防止法2条1項7号の不正競争行為には該当しないとして、差止請求及び損害賠償請求をいずれも棄却した。 本判決は、共同開発契約における独占権条項の適用範囲について、既存技術で実施可能な内容を共同開発成果と区別する解釈を示した点、及び営業秘密の「開示」が認められるには受領者が内容を具体的に認識し得る形で伝達される必要があることを明確にした点に実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。