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知財

著作権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ5427
事件名
著作権侵害差止等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年10月3日
裁判官
谷有恒野上誠一島村陽子

AI概要

【事案の概要】 本件は、映像制作等を業とする原告が、株式投資スクール「ライズ株式スクール」を運営していた有限会社ピー・エム・エー(被告会社)及びその代表者ら、並びに同社から事業を譲り受けた株式会社インターステラー(被告会社)及びその取締役らに対し、原告が制作した被告ピー・エム・エーの公式ウェブサイト(原告ウェブサイト)を被告らが無断で複製して新たなウェブサイト(被告ウェブサイト)及び動画配信用のウェブサイト(本件動画ウェブサイト)を公開したことが著作権及び著作者人格権の侵害等に当たると主張し、著作権法112条1項・2項に基づく公衆送信等の差止め及び削除、並びに不法行為・契約違反等に基づき1260万円の損害賠償を求めた事案である。 原告は、平成28年4月、被告ピー・エム・エーから代金324万円でウェブサイトのリニューアル制作を受託し、同年10月にこれを公開した。しかし、被告ピー・エム・エーがレンタルサーバの更新費用を支払わなかったため、平成29年12月にサーバが凍結され、原告ウェブサイトが閲覧できなくなった。被告ピー・エム・エーが滞納分を原告に振り込み復旧を求めたが、原告が「データは失われ、再制作には434万円余りが必要」と説明し交渉が決裂したため、被告らは旧ウェブサイト制作に携わっていた第三者に依頼し、原告ウェブサイトのデータを用いて被告ウェブサイトを制作・公開した。 【争点】 主要な争点は、(1)原告ウェブサイトの著作物性及び著作権の帰属、(2)制作業務委託契約における著作権帰属合意の有無、(3)原告による著作権行使が権利濫用に当たるかである。本件注文書には「全面リニューアル後の成果物の著作権その他の権利は、制作者のP1に帰属する」との記載があったが、この記載が原被告間の合意として成立していたかも争われた。 【判旨】 大阪地裁は原告の請求をいずれも棄却した。まず、原告ウェブサイトの著作権の帰属について、原告ウェブサイトの制作は原告の発意ではなく被告ピー・エム・エーの委託に基づくものであり、内容は被告ピー・エム・エーの企業活動を紹介するもので同社に由来すること、原告が代金324万円を受領して引き渡したこと、原告ウェブサイト制作後も原告が保守業務委託料を請求していたことなどから、原告ウェブサイトに係る権利は全体として被告ピー・エム・エーに帰属すると判断した。本件注文書の著作権帰属記載については、合意成立を認めるに足りる証拠はないとした。 さらに裁判所は、仮に原告ウェブサイトの一部に原告の著作権が認められるとしても、原告の権利行使は権利濫用に当たり許されないと判断した。その理由として、原告は保守管理者としてサーバ更新料滞納のリスクを適切に警告しなかったこと、サーバ凍結後も規約上は30日以内に更新費用を支払えば復旧可能であったにもかかわらず、原告が「データが失われた、復旧できない」と説明し434万円余りの法外な代金を請求したこと、原告ウェブサイトの停止が被告ピー・エム・エーの企業活動停止を意味することを原告も認識していたことなどを挙げた。本件動画ウェブサイトについても、原告ウェブサイトとは内容も形式も全く異なり、著作権侵害となる余地はないとした。 本判決は、業務委託により制作されたウェブサイトの著作権帰属について、契約の対価関係・成果物の性質・企業活動との関連性等を総合考慮して判断した事例であり、制作者への権利帰属を明示する合意の明確性を要求するとともに、著作権行使が権利濫用に当たる場合があることを示した点で、ウェブサイト制作実務上意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。