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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ケ10062
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年10月9日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子

AI概要

【事案の概要】 本件は、商標登録無効審判請求を不成立とした特許庁の審決について、請求人(原告)がその取消しを求めた審決取消訴訟である。被告は、第20類「家具,机類」を指定商品として、標準文字「らくらく」を内容とする商標(本件商標)の商標権者である。本件商標は平成25年4月17日に登録出願され、同年9月13日に設定登録された。 原告は、屋号「住友産業」として昭和63年頃から正座用の椅子(原告商品)を製造販売してきた事業者である。原告商品は、臀部の下に敷いて正座をすることで体重を分散させ、膝への負担を軽減し、足の痺れや膝頭の痛みを緩和する正座補助具であり、平成12年及び平成15年から平成25年の12年間で約74万6000個を販売し、生活産業新聞に75回の広告を掲載し、カタログ、百貨店のチラシ、アマゾンのウェブサイトなどにも広告を掲載してきた。原告商品の包装箱や広告には「らくらく椅子」「らくらく正座椅子」「らくらく二段正座椅子」「らくらく万能座椅子」等の標章が付されていたが、「らくらく」単独で使用された例はほぼ見当たらなかった。 原告は、平成30年6月20日、本件商標について商標法4条1項10号(他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一・類似の商標)該当を理由として無効審判を請求したが、特許庁は「らくらく」の引用商標が原告商品を表示するものとして需要者に広く認識されていたとは認められないとして請求を不成立とする審決をしたため、原告が本訴を提起した。 【争点】 原告が使用してきた「らくらく正座椅子」等の結合商標から、識別力のある要部として「らくらく」部分のみを抽出し、これを原告の使用商標(引用商標)として捉えたうえで、登録出願時及び登録査定時において原告の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されていたか(商標法4条1項10号該当性)が争点となった。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。まず、原告商品の販売実績や広告掲載の事実を認めつつも、包装箱や広告において単独の「らくらく」表記は存在せず、常に「正座椅子」「椅子」等と結合した形で使用されていたと認定した。 そのうえで、「らくらく」は「楽」であることを意味する語であり、足の痺れや膝頭の痛みを緩和し楽に正座できるという原告商品の機能を表す語にすぎず、他方「正座椅子」は用途ないし商品の種類そのものを表す語であるから、いずれも単独では出所識別標識としての機能を十分に発揮するとはいえないと判断した。したがって「らくらく」部分のみを要部として抽出することはできないとした。 また原告は、本件審判手続における当事者間のやり取りから「らくらく」を抽出する取引の実情があると主張したが、本件審判における当事者の主張内容をもって取引の実情と認めることはできず、また需要者が原告商品を「らくらく」と略称していた事実を認めるに足りる証拠もないとした。 以上より、引用商標「らくらく」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、原告商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたとはいえず、本件商標は商標法4条1項10号に該当しないと結論づけた。本判決は、結合商標における要部抽出の可否について、各構成要素の識別力の有無を具体的に検討する必要があることを改めて示した事例として、実務上参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。