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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ10037
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年10月9日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 鍵の販売、取付け、修理等を業とする控訴人会社が、元従業員およびその転職先であるウェブ広告会社(被控訴人会社)とその代表者に対し、損害賠償を請求した事案である。控訴人は、顧客の依頼を受けて開かなくなった鍵を開錠する業務を行っており、その際、扉の内側にサムターン(スイッチサムターン)が設けられている場合でも解錠できる独自開発の工具「グンマジ」を使用していた。控訴人の元従業員である鍵師6名が順次退職して被控訴人会社に転職し、同社の開錠業務に従事したところ、控訴人は、(ア)元従業員らが共謀して控訴人所有のキーマシンやグンマジを違法に持ち出した、(イ)被控訴人会社代表者が違法に従業員を引き抜いた、(ウ)グンマジに関する技術情報(開錠方法・構造・部材)は営業秘密に当たり、その使用は不正競争防止法2条1項4号・5号の不正競争行為に該当する、(エ)誓約書により競業避止義務を負う元従業員2名の転職は債務不履行に該当する、と主張し、総額約1億8783万円の連帯支払を求めた。原審は、工具持ち出しの不法行為につき被控訴人会社の使用者責任のみを認め、持ち出された工具の販売価格相当額に弁護士費用を加えた138万6000円の支払を命ずる限度で請求を認容し、その余を棄却したため、控訴人が敗訴部分を不服として控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)持ち出された工具の台数および被控訴人会社代表者の共謀の有無、(2)違法な引き抜き行為の有無、(3)グンマジに関する技術情報が営業秘密に当たるか、(4)退職後の競業避止義務を定めた誓約書の効力、(5)逸失利益を含む損害額である。 【判旨】 知的財産高等裁判所は本件控訴を棄却した。まず工具持ち出しについて、追加で主張されたキーマシン2台・グンマジ6台分の持ち出しは、裏付ける客観的証拠を欠き認定できないとし、被控訴人会社代表者も開錠業務のノウハウを有さず工具準備を元従業員に任せていた経緯等に照らし、共謀その他の関与は認められないとした。引き抜き行為については、事業者が他社従業員の転職を勧誘する行為はそれだけでは自由競争の範囲を逸脱せず不法行為を構成しないと判示した。営業秘密該当性については、控訴人自身が一般人向けに有料の「ロックマスター養成講座」を開講してグンマジによる開錠方法を受講者に秘密保持義務を課さず教えていたこと、グンマジを29万8000円で販売していたこと、インターネット上のブログにグンマジ使用の写真付き記事を公開していたこと等を指摘し、本件情報は「秘密として管理されている」とも「公然と知られていない」ともいえず、営業秘密に該当しないとした。競業避止義務については、誓約書の内容が場所的制限なく一律に退職後3年ないし1年にわたり競合事業者への転職を禁止するもので制限の範囲が広く、開錠技術を一般公開している以上業務の性質上の必要性は薄く、賃金も基本的に在職中の職務の対価であって代償措置とは評価し難いとして、公序良俗に反し無効と判断した。損害論では、工具の使用利益ないし逸失利益の賠償請求も、控訴人がグンマジから継続的に利益を得られるとは疑わしく、再調達に困難もないこと、被控訴人会社の業務により控訴人の利益が失われた証拠もないことから斥けられ、原審認容額138万6000円が維持された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。