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知財

特許権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ12609
事件名
特許権侵害差止請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年10月9日

AI概要

【事案の概要】 本件は、音響信号を用いた情報提供技術に関する特許権(特許第5871088号「端末装置,情報提供システム,情報提供方法およびプログラム」および特許第6170645号「情報管理システムおよび端末装置」)を有する原告が、被告の提供するスマートフォン用アプリケーション「Sound Insight」および「サウンドインサイト防災」(本件アプリ)が上記特許発明の技術的範囲に属するとして、被告に対し特許法100条1項に基づき本件アプリの作成、使用、譲渡等およびその申出の差止めを求めた事案である。 本件特許の発明は、スピーカー等から放音される案内音声に識別情報(音響ID)を重畳させ、スマートフォンが当該音響IDを収音・抽出して、使用言語情報とともにサーバへ送信し、案内音声の発音内容を指定言語で表現した関連情報を受信して出力するという技術であり、空港・駅・公共施設等における多言語アナウンスへの応用が想定されていた。被告は遅くとも平成29年5月頃から平成30年6月頃まで本件アプリを配信し、展示会等でも使用していた。 【争点】 主な争点は、(1)本件アプリが本件発明の技術的範囲に属するか(特に案内音声の識別・多言語関連情報の受信という構成要件を充足するか)、(2)本件各特許が公開特許公報(乙2、乙9)記載の発明等に基づき進歩性を欠き特許無効審判により無効にされるべきものか、(3)差止めの必要性が認められるかの三点である。被告は、音響IDの具体的な利用態様は顧客が決定しており必ずしも案内音声に限られない、実証実験では多言語翻訳機能を用いていない、今後も使用しない旨約束する意思があるなどとして争った。 【判旨】 東京地方裁判所は原告の請求を全部認容し、本件アプリの作成等の差止めを命じた。 まず技術的範囲への属否について、広告・ダウンロードサイトの記載から、案内音声に音響IDを重畳し多言語で関連情報を提供する使用態様が被告により積極的に推奨されていたと認定し、本件アプリは案内音声を識別して多言語の関連情報を受信する手段として機能するプログラムであり、顧客が実際に受信する情報を選択しているとしても構成要件を充足すると判断した。 進歩性については、乙2公報の発明はテレビ番組の場面を識別してURLを受信するものにすぎず、乙9公報の発明は観光スポットのガイド音声に対応する道案内情報を提供するものであって、いずれも「案内音声である再生対象音の発音内容を表す関連情報」を多言語で提供する構成とは相違し、他の公報(乙10、乙14〜17等)と組み合わせても本件発明の構成に容易に到達するとは認められないとして、被告の無効主張を排斥した。 差止めの必要性についても、被告が過去に侵害行為を行っていたこと、訴訟で技術的範囲属否を争い特許無効を主張していること、現在もウェブサイトで本件アプリの説明・広告を掲載していることから、今後侵害するおそれが認められるとして肯定した。本判決は、音響IDによる多言語情報提供という比較的新しいIoT関連技術において、特許権の保護範囲を実質的に広く認めた事例として実務上の意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。