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商標権移転登録手続等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ28211
事件名
商標権移転登録手続等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年10月9日

AI概要

【事案の概要】 本件は、フランスの老舗ファッションブランド「ランバン」を運営する原告会社が、被告である大手総合商社に対し、過去に譲渡した「LANVIN」関連の商標権について、買戻契約に基づく買戻権を行使したとして、商標権の移転登録手続を求めた事案である。 原告は、平成13年に被告との間で原告保有商標を用いた服飾品等の日本国内独占販売契約を締結し、平成15年には被告から20億円を借り入れ、その弁済を担保するため商標権に譲渡担保権を設定した。平成16年1月、原告は当該借入金を含む債務の代物弁済として被告に本件商標権を譲渡する一方、同日付で、原告が所定時期・所定対価で商標権を買い戻す権利を定める買戻契約を締結した。買戻権の行使条件はその後数次にわたり改定され、平成27年12月31日又は平成29年12月31日を行使時期とし、約50億7000万円から一定のドル建て・ユーロ建て金額を差し引いた価格で買戻しができる内容となっていた。 もっとも本件買戻契約には、買戻後の商標権について原告・被告間で新規独占ライセンス・販売店契約(新規独占販売契約)が条件概要書に基づき締結されることが、移転登録請求権発生の条件として定められていた。原告は平成27年10月21日に買戻権行使の意思表示をし、その後新規独占販売契約の締結に向けて双方が草案を交換して交渉したが、売上目標やロイヤルティ額下限等の実質的条項に隔たりがあり合意に至らず、平成29年1月に原告が申し立てた調停も平成30年1月に不成立で終了した。そこで原告は本訴訟を提起した。 【争点】 主な争点は、(1)平成27年12月31日までに新規独占販売契約が締結されたといえるか、(2)被告が条件成就を故意に妨げたとして民法130条により条件成就が擬制されるか(クロージング予定日時点・本件調停終了時点)、(3)原告による行使価格の弁済提供の有無であった。原告は、草案交換によって条件概要書に沿う基本事項の範囲で契約が成立していた、被告がPR契約の延長拒絶やサブライセンスのロイヤルティ料率引下げ通知によって買戻権行使の撤回を迫り契約締結を妨害したなどと主張した。 【判旨】 東京地裁は、原告・被告が交換した草案にはロイヤルティ額の下限設定など実質的条項につき相違があり、互いに条件概要書への適合性についての認識も一致していなかったとして、平成27年中に新規独占販売契約が成立したとは認められないとした。 条件成就の擬制については、被告による買戻権行使見送り要請やPR契約の不延長通知は買戻権の正式行使前の対応又は商標権移転見込みに応じた合理的対応であり、サブライセンスのロイヤルティ料率引下げ通知も、関連会社の損失状況という理由があり、原告の反対を受けて協議に応じる姿勢を示していたこと等から、契約締結妨害とはいえないと判断した。また、条件概要書に記載のない条項の追加に応じなかった被告の態度も、第8条(c)が予定する協議の範囲を超える実質的条項についての対応であって、妨害とは評価できないとした。平成28年以降も被告は協議を継続していたことから、調停終了時点における条件成就の擬制も否定された。 以上より、本件条件の成就も成就の擬制も認められないとして、その余の弁済提供の点を判断するまでもなく原告の請求をいずれも棄却した。ブランド商標の担保譲渡と買戻しという国際的ライセンスビジネスにおける複雑な契約設計について、当事者間の協議プロセスと民法130条の適用範囲を具体的に検討した実務上参考となる事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。