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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10028
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年10月10日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、英会話教材「スピードラーニング」を販売する株式会社エスプリライン(一審原告・被控訴人)が、同じく英会話教材を販売するラクサス・テクノロジーズ株式会社(一審被告・控訴人)に対し、原告の試聴用DVDのパッケージ内DVD(原告DVD)と被告が作成・配布した試聴用DVDのパッケージ内DVD(被告DVD)との類似性を問題とし、被告DVDの作成・配布等が、映画の著作物または編集著作物である原告DVDに関する複製権、翻案権および同一性保持権を侵害すると主張して(予備的には言語の著作物としての侵害も主張)、民法709条に基づく損害賠償を求めた事案である。原審の東京地方裁判所は、被告DVDの作成等が映画の著作物としての原告DVDの一部について翻案権および同一性保持権を侵害するとして、被告DVD1枚あたり1000円を基準とした損害賠償36万5000円余りの支払を命じる限度で原告の請求を一部認容した。これを不服とする被告が、敗訴部分の取消しを求めて控訴したのが本件である。原告DVDと被告DVDはいずれも英会話教材の宣伝・紹介用の試聴版であり、両者の映像には、白い扉の奥に宇宙が広がる表現、太陽や青空を用いた場面展開、商品DVDの周囲を人物写真が回転する表現、空中に浮かぶ7段の階段で英語学習のステップを示す表現、日本列島が光で染まっていく表現など、多数の共通点が指摘されていた。 【争点】 主たる争点は、原告DVDの各場面(項目イ・ウ・オ・ケ・テ・ト)の表現に著作物としての創作性が認められるか、被告DVDの作成が原告DVDに対する翻案権および同一性保持権の侵害にあたるか、および損害額の算定である。控訴人は、白い扉や宇宙、太陽や青空、日本列島の地図、段階を示す階段といった各表現はいずれも英会話教材の宣伝・紹介というジャンルにおいてありふれた表現にすぎず、これらに創作性を認めれば当該ジャンルの表現自体に独占権を与えることになって不当であると主張し、また侵害部分は全体の約7%(約2分16秒)にすぎず、試聴用DVDの本質部分である体験者インタビュー等とは無関係であるから、1枚1000円という利用許諾料相当額は高額にすぎると反論した。 【判旨】 知的財産高等裁判所第2部は、控訴を棄却し原判決を維持した。裁判所は、創作性の判断につき、原判決が捉えた共通点は、控訴人が主張するような抽象的・一般的な表現レベル(扉・宇宙・階段・日本列島など)ではなく、扉が手前に開いて奥に宇宙が広がり白い光から海外の写真へと展開する一連の演出、商品DVDの周囲を人物写真が左回りに回る場面、7段の空中階段が画面奥から近づき各段の側面に具体的フレーズがスライド表示されていく演出、日本列島の暗い地図に光が広がって地球の周囲を人物写真が回る表現など、より具体的な映像表現のレベルで共通していると認定した。その上で、これらの具体的表現は作成者の個性が現れ視聴者に強い印象を与えるもので創作性があり、他にも多様な表現方法があり得るから著作物性を認めても当該ジャンルの表現を独占させることにはならないと判示し、控訴人の「ありふれた表現」との主張を排斥した。相違点については、視聴者に与える印象は弱く、原告DVDに些細な変更を加えたにすぎないとして、被告DVDから原告DVDの表現上の本質的特徴を直接感得できると結論づけた。損害額についても、原告商品と被告商品は販売方法が類似しており被告商品の売上げが原告商品の売上げ減少に直結するおそれがあることから、原告が被告に翻案を許諾することは通常考え難く、1枚1000円の利用許諾料相当額は高額にすぎないと判断して、控訴人の主張を斥けた。本判決は、短い宣伝用映像においても、具体的な演出・構図・展開のレベルで共通性が認められる場合には翻案権侵害が成立しうることを示した事例として実務上参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。