都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3149 件の口コミ
行政

消費税更正処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ590
事件名
消費税更正処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年10月11日

AI概要

【事案の概要】 原告は中古不動産の買取再販売を主たる事業とする株式会社であり、平成25年から平成27年までの各課税期間に、全部又は一部が住宅用として賃貸中の建物(合計約344物件、仕入総額約128億円)を、賃借権の負担付売買によって多数購入した。原告は、これらの建物を棚卸資産として計上し、平均約7か月程度で転売する一方、所有期間中は前所有者から承継した賃貸人の地位に基づき賃貸料を収受していた。 消費税法は、課税売上割合が95%未満又は課税売上高が5億円超の事業者について、課税仕入れに係る消費税額の控除(仕入税額控除)を「個別対応方式」又は「一括比例配分方式」で計算するものとし、個別対応方式では課税仕入れを(1)課税資産の譲渡等にのみ要するもの、(2)その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、(3)両者に共通して要するもの(共通課税仕入れ)に区分することを要求している。住宅の貸付けは非課税取引であるため、建物が住宅用賃貸に供されていると非課税売上げが発生する。 原告は本件各建物の購入を「課税資産の譲渡等(転売)にのみ要する課税仕入れ」に区分して確定申告したが、日本橋税務署長は共通課税仕入れに当たるとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。さらに原告は、共通課税仕入れとされる場合に備え、課税売上割合に代えて適用する「準ずる割合」として、譲渡済建物の販売収入と事業用賃料収入の合計が全売上げに占める割合(本件割合。約9割)の適用承認申請をしたが、これも却下された。原告は各処分の取消し等を求めて提訴した(第1事件・第2事件)。 【争点】 1 住宅用賃貸部分を含む建物の購入を共通課税仕入れに区分した更正処分の適否(用途区分は仕入れの最終的・主たる目的で判断すべきか、仕入日の客観的状況で判断すべきか) 2 過少申告につき国税通則法65条4項の「正当な理由」が認められるか 3 本件割合が「合理的に算定される」課税売上割合に準ずる割合に当たるか 【判旨】 東京地裁は原告の請求をいずれも棄却した。 争点1について、裁判所は、個別対応方式における用途区分は消費税法30条2項1号の文言に照らし、課税仕入れが行われた日の状況に基づき、当該取引が将来の多様な取引のうちどのような取引に要するかを客観的に判断すべきであると判示した。本件各建物は仕入日において販売と住宅用賃貸の双方に供されることが予定されていたため、課税資産の譲渡等のみに要するものとはいえず、共通課税仕入れに当たると結論づけた。原告が援用した国税庁の一問一答等の文献や過去の個別事例(分譲マンション事例、土地仲介手数料事例等)は、最終目的説を採用したものとは評価できず、租税平等主義違反・信義則違反の主張もいずれも退けた。 争点2の「正当な理由」については、平成元年当時には最終目的を考慮する取扱いを示唆する文献も存在したが、平成10年頃以降は共通課税仕入れとする見解が示された文献や裁判例・裁決が複数積み重ねられており、本件確定申告当時に原告が自らの区分を採用したことについて、真に原告の責めに帰することのできない客観的事情があるとまではいえないとして、過少申告加算税の賦課決定処分も適法とした。 争点3については、建物の販売収入・賃料収入のみを基礎に割合を算定すること自体は課税売上割合より合理的となり得るとしつつ、本件割合は「譲渡済み建物」の仕入日から譲渡日までの賃料収入に限定して算定するため、未譲渡建物の賃料が反映されず、課税売上割合が当該課税期間の売上げにより計算されるべきこと(消費税法30条6項)との整合性を欠き、合理的に算定されるものとは認められないとして、却下処分を適法とした。 本判決は、不動産買取再販売事業者が短期保有の転売目的で取得する賃貸中建物について、仕入税額控除の用途区分を仕入日の客観的状況基準で判定する枠組みを明示した事例として、実務的意義が大きい。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。