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行政

補助金交付決定一部取消及び返還命令取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ439
事件名
補助金交付決定一部取消及び返還命令取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年10月18日

AI概要

【事案の概要】 本件は、国立大学法人B大学大学院の元教授である原告が、独立行政法人日本学術振興会(被告)から科学研究費補助金(科研費、基盤研究(A)及び基盤研究(S))の交付決定を受けて補助金を受領していたところ、被告の理事長が平成30年3月27日付けで、平成17年度から平成19年度までの各補助金について、交付決定の一部取消しと補助金の返還命令(加算金を含め合計5000万円以上)をしたため、原告がこれらの取消しを求めた事案である。 科研費は、もともと文部省が全ての業務を担っていたが、平成11年度から業務の一部が被告に移管された。その際、日本学術振興会法は補助金適正化法の一部の規定のみを準用し、補助金交付決定の根拠規定である適正化法6条はあえて準用されなかった。被告は自ら策定した取扱要領に基づき、研究者からの応募に対し研究内容を適当と認めた場合に補助金を交付する制度として設計したものである。原告は、交付から10年以上経過した後に、B大学が作成した調査報告書のみに依拠して弁明の機会もなく巨額の返還を命じられたとして、処分性を前提に取消訴訟を提起した。 【争点】 中心的な争点は、本件各取消決定及び本件各返還命令が抗告訴訟の対象となる「行政庁の処分」に当たるか(処分性の有無)である。これに加えて、処分の適法性(考慮不尽・比例原則違反・弁明機会の欠如・理由提示の不備等)や、取消権・返還請求権の消滅時効の成否も争われた。 【判旨】 東京地裁は、本件各訴えをいずれも却下した。 抗告訴訟の対象となる処分とは、公権力主体たる国又は公共団体の行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁昭和39年10月29日判決参照)と判示した上で、科研費(基盤研究等)の交付手続については、適正化法に間接補助金等の交付手続の規定がなく、振興会法も適正化法6条(交付決定)を準用せず、具体的な交付手続は専ら被告が作成した取扱要領に規定されているにすぎないと指摘した。したがって、法律上、申請権を付与された者の申請に対し行政庁が受給権の存否を判断して応答する仕組みは採用されておらず、科研費の交付は、申請(申込み)と交付決定(承諾)によって成立する贈与契約を原因とする給付であると解した。 その上で、科研費(基盤研究等)の使用については、補助事業を目的どおりに遂行する負担を伴うため、本件の贈与契約は負担付贈与契約と解され、その交付の取消し及び返還は、当該契約の債務不履行解除とこれを原因とする不当利得返還請求としての性質を有するものであって、行政庁が直接国民の権利義務を形成・確定することが法律上認められた行為には当たらないと判断した。適正化法17条1項が準用されていること、あるいは返還対象金額が多額であることは処分性を基礎付ける理由にはならないとし、本件各取消決定及び本件各返還命令には処分性がないとして、適法性や消滅時効の点について判断するまでもなく、本件各訴えはいずれも不適法として却下された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。