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知財

標章使用差止反訴請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ10045
事件名
標章使用差止反訴請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年10月23日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩鶴岡稔彦
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、リサイクルショップチェーン「ハードオフ」「オフハウス」「モードオフ」「ガレージオフ」「ホビーオフ」「リカーオフ」などを展開する被控訴人(株式会社ハードオフコーポレーション)に対し、長年にわたり同社の店舗デザインやロゴ、ピクトグラムの制作を請け負ってきた控訴人(有限会社エス・オー・ディ)が、著作権者であると主張して、これらの標章等の使用差止めや店舗等からの抹消を求めた事件の控訴審である。 控訴人は、平成4年頃から平成29年5月末までの約25年間にわたり、被控訴人の各業態における店舗デザインの設計と併せて、ロゴマークやピクトグラムを制作・納品してきたが、その間、請求書等の書面上、標章やピクトグラムの制作料・使用料を「店舗デザイン設計料」と区別した形で請求し支払を受けたことはほぼなかった。ところが、平成29年に控訴人の従業員Aらが退社して新会社(アークスペース)を設立し、被控訴人が同年6月以降はその新会社に店舗デザインを依頼するようになったことから、控訴人は過去に制作した標章等についての対価を求め、本件紛争に発展した。 控訴人は、平成14年にガレージオフ1号店の案件を手がけた際、被控訴人代表者との間で「店舗デザインの依頼を受ける限り制作料等は請求しないが、依頼がなくなればロゴ・ピクトグラムのデザイン料を支払う」との合意(反訴原告主張合意)が成立していたと主張し、著作権法112条および商標法29条に基づき、差止め・抹消を請求した。原審はこれを全部棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 主たる争点は、控訴人が主張する上記合意(店舗デザイン業務の委託終了時に制作料・使用料支払義務が発生するとの合意)の成否である。併せて、反訴原告標章・ピクトグラムの著作物性、被控訴人が自ら作成した反訴被告標章による複製・翻案権侵害の成否も争われた。 【判旨】 知財高裁第3部は本件控訴を棄却した。裁判所は、控訴人主張の合意を認定できないと判断した。その根拠として、第一に、約25年という長期間にわたり、控訴人からロゴ・ピクトグラムの使用料が店舗デザイン設計料と別立てで請求された形跡がほぼなく、制作料請求を裏付ける書面も極めて限定的であること、第二に、控訴人自身、紛争初期の平成29年4月26日に弁護士と相談のうえ作成した書面で「使用料は店舗のデザイン料に含むとのご要望にお応えしてきました」と述べていること、第三に、被控訴人にとって既存のロゴ・ピクトグラムが使用できなくなれば重大な不利益が生じることから、そのような合意を書面化しないのは不自然であること、などを挙げた。 むしろ裁判所は、当事者間には、店舗デザイン設計料の支払を受けた後は、被控訴人が作成済みのロゴ・ピクトグラムを制作料・使用料の別途支払なしに使用し続けられるとの包括的使用許諾の黙示的合意(反訴被告主張合意)が成立していたと認定した。したがって、被控訴人は取引終了後の平成29年6月以降も、既存のロゴ・ピクトグラムを継続使用できる。債務不履行解除の主張も前提を欠き失当とされ、反訴被告標章については反訴原告標章の複製・翻案に当たらないとの原審判断を是認して、著作権法112条および商標法29条に基づく請求はいずれも理由がないとされた。長期継続的な取引関係の中で明示的な対価合意なく進められたデザイン業務について、黙示の包括的使用許諾を肯定した事例として、実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。