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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ7123
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年10月24日
裁判官
谷有恒野上誠一島村陽子

AI概要

【事案の概要】 本件は、「無線通信サービス提供システム及び無線通信サービス提供方法」に係る特許権(特許第3245836号)を有する原告が、インターネット上の広告配信サービス(地域密着型スマホ広告配信サービス「モバイルちらし」)を提供する被告に対し、被告サービスが特許発明の技術的範囲に属するとして、特許法100条1項に基づく差止めと、不法行為に基づく1100万円の損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 原告の特許発明は、無線通信装置の現在位置を測定し、配信先情報に含まれる位置情報に基づいて指定地域内の無線通信装置に広告情報を送信するものであり、無線通信装置が一旦指定地域の外に出た後、再び指定地域内に戻っても同じ広告情報を送信しないことを特徴としていた(構成要件E及びM)。 被告サービスは、広告主が地図上で配信エリア(半径1〜10㎞)を設定し、リアル・タイム・ビッディング(RTB)により広告枠を買い付けた上で、スマートフォンのブラウザに対してバナー広告を表示する仕組みであり、DSPサーバ(被告保有)とSSPサーバ(Supership株式会社保有)が連携してクッキーIDによる識別の下で広告を配信するものであった。広告主は同一スマートフォンへの一日あたりの広告表示回数上限を設定することが可能であった。 【争点】 主たる争点は、被告システム及び被告方法が本件特許の構成要件E(及びこれに対応する構成要件M)を充足するかであった。具体的には、「無線通信装置が一旦指定地域の外に出た後、再び指定地域内に戻っても、同じ広告情報を送信しない」との文言が、単に同一広告の配信回数を制限するだけで足りるのか、それとも指定地域外への退出と再入域を把握した上で再送信を防止する構成を備える必要があるのかが問題となった。原告は、配信回数を1回に制限する設定をすれば当然に構成要件Eを充足すると主張したのに対し、被告は、位置情報に基づく把握が必要であると主張した。 【判旨】 大阪地裁は原告の請求をいずれも棄却した。 裁判所は、特許法70条1項により特許発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定めるべきところ、構成要件Eには「前記無線通信装置が一旦前記指定地域の外に出た後、再び前記指定地域内に戻っても」との文言がわざわざ付加されており、これに何らかの意味を見出すべきであると指摘。無線通信装置の所在態様には、指定地域内に存在し続ける場合、指定地域外に出たままの場合、一旦外に出て再び戻る場合があり、構成要件Eは最後の場合のみを規定しているから、単に同じ広告を再送信しない構成では足りず、一旦指定地域外に出た後、再び指定地域内に戻ったことを把握した上で再送信を防止する構成を備える必要があると解した。 また、本件特許の出願経過において、原告自身が構成要件Eの構成を発明の「最大の特徴」「特徴的な構成」として強調し特許査定を得ていたこと、出願当時にはバナー広告の配信回数を制限する技術(ダブルクリック社のDART等)は公知であったことからすれば、単なる配信回数管理を構成要件Eの内容と解することはできないとした。 そして、被告システム及び被告方法は、クッキーIDによって同一スマートフォンへの同一広告の配信回数を管理するのみで、スマートフォンが指定エリア外に出て再び戻ったことを把握する構成を有していないから、構成要件E及びMを充足せず、本件発明1、2及び26の技術的範囲に属しないと結論づけた。間接侵害の主張も前提を欠くとして退けられた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。