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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ2094
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年10月24日

AI概要

【事案の概要】 本件は、京都市立堀川高校ソフトボール部に所属していた3年生の女子生徒(原告)が、部の主顧問兼監督であったA講師のノック練習中に打球を捕球した際、左手小指を骨折した事故について、Aに安全配慮義務違反の過失があるとして、被告(京都市)に対し国家賠償法1条1項に基づき約1247万円の損害賠償を求めた事案である。 原告は部内で最も捕球技術が高くキャッチャーを務めていたが、部備付けのキャッチャーミットが女子の手に合わず左手親指がボールの勢いではじかれる状態で、平成27年4月末頃に左手小指を痛め、5月中旬には左手親指を突き指し、医師からも「後一月かかる」「テーピングしてみましょう」と指示されるなど、捕球時に痛みを訴えることが続いていた。Aはこれらの負傷を認識していた。 事故当日、Aは別の部員Bの三塁線への捕球技術向上のため、Bへの見本として原告をサード守備に就かせ、Aが過去に対戦した強豪校の打球の中で一番強かったものと同程度の強さを意識したノックを打っていた。原告は腹部付近へのライナー性打球をフォアハンドで捕球した際、左手小指の関節内骨折(背側脱臼を伴う)を負い、手術・入院を経て、スポーツ振興センターから障害等級13級の認定を受ける後遺障害(可動域制限、変形残存、常時の痺れ・疼痛等)が残った。 【争点】 主な争点は、(1)ノック練習を指導したAの過失(安全配慮義務違反)の有無、(2)損害額、(3)過失相殺及び素因減額の可否である。特に、スポーツの内在的危険論と教員の安全配慮義務の範囲、既往の負傷を抱える生徒に対する練習参加可否の判断義務、備付け用具の不適合と素因減額の関係が問題となった。 【判旨】 裁判所は、高校部活動の指導教員は、生徒の自主判断に委ねるのではなく、個々の体調に配慮した適切な指導を行うべき義務を負い、生徒が負傷した状態で参加しようとする場合は、事前に負傷の部位・程度・痛みを聴取して参加可否を見極め、参加させる場合も更なる負傷の可能性を高めないよう練習内容を工夫すべき義務があると判示した。 本件ノック練習は強度が高く負傷の危険性が比較的高い上、原告自身の技術向上ではなく他部員の見本という目的にとどまり参加の必要性は必ずしも高くなかったこと、Aは原告の左手親指負傷を認識しながら参加可否を原告の判断に任せ、聴取や打球強度の調節等の工夫を行わなかったことから、Aには安全配慮義務違反の過失が認められるとした。 損害額は治療関係費・入院雑費8738円、傷害慰謝料63万6000円、後遺障害慰謝料180万円、後遺障害逸失利益601万7343円(賃金センサス女性大学卒・労働能力喪失率9%・症状固定時18歳からの控除係数で算定)の合計846万2081円を認定した。 過失相殺については、原告も練習参加困難や打球強度の軽減をAに申し出ることで事故を防ぎ得た可能性があるとして2割の過失相殺を行った一方、素因減額については、左手親指・小指の負傷は原告の身体的特徴に起因するものではなく、かつ手に合わないキャッチャーミットへの対応を怠ったAにも落ち度があることから、最高裁平成4年6月25日判決の趣旨を踏まえても民法722条2項の類推適用による減額は相当でないと判断した。過失相殺後の額から障害見舞金等150万4521円を損益相殺で控除し、弁護士費用52万円を加えた578万5144円の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。