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行政

法人税更正処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ403
事件名
法人税更正処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年10月24日

AI概要

【事案の概要】 アニメのキャラクター商品等の販売を行う原告会社は、顧客が店舗で商品を購入する際にポイントを付与し、次回購入時に代金の一部として充当できるほか、景品と交換することもできるポイントシステムを運営していた。このポイントには、最終利用日から2年間利用がない場合に失効するという期限が定められていた。 原告は、平成22年10月期から平成26年10月期までの各事業年度末において、顧客に付与したポイントの未使用残高に相当する金額(本件ポイント未払計上額)を費用として計上し、損金の額に算入して法人税及び復興特別法人税の確定申告を行った。 これに対し豊島税務署長は、ポイントの未払計上額については事業年度末において債務が確定しているとは認められず、法人税法22条3項2号の債務確定要件を満たさないとして、これを損金に算入できないことを理由に、各事業年度の法人税及び復興特別法人税について更正処分と過少申告加算税の賦課決定処分を行った。原告は、国税不服審判所に審査請求をしたが棄却されたため、処分の取消しを求めて本訴を提起した。 ポイントプログラムは現代の小売業では一般的な販促手段であるが、会計処理と税務処理の取扱いは長年実務上の争点とされており、本件は企業会計上の引当金処理と法人税法上の損金算入要件との関係が正面から争われた事例である。 【争点】 本件ポイント未払計上額が法人税法22条3項2号にいう「債務の確定した費用」に該当し、各事業年度の損金の額に算入できるかが主たる争点となった。具体的には、債務確定要件の3基準(債務の成立、具体的原因事実の発生、金額の合理的算定可能性)をポイント付与時点で充足するか否かが問題となった。また、平成24年10月期の処分について、審査請求で明示的に争わなかった部分(本件各不超過部分)についても訴えを提起できるかという本案前の争点も争われた。 【判旨】 東京地裁は原告の請求をいずれも棄却した。 本案前の争点については、課税処分取消訴訟における審判の対象は処分により確定された税額の適否であり、審査請求における審査範囲も同様に及ぶから、本件訴えは適法な不服申立て前置を経たものと判断した。 本案の争点については、法人税法22条3項2号が販管費等について債務確定要件を課した趣旨は、未発生の販管費に係る引当金の発生見込みや金額算定に法人の恣意が入りやすいため、課税計算の適正を図る点にあると指摘した。その上で、本件ポイントシステムでは、(1)カード会員が次回購入時に代金充当を選択するか景品交換を選択するかによって原告に生じる費用が異なり、景品交換の場合は景品の調達費用がポイントの現金換算額と必ずしも一致しないこと、(2)最終利用日から2年を経過すればポイントは失効し、実際に使用されるのは一部にすぎないことを認定した。 これらの事情から、ポイント付与時点では、仮に原告の主張する債務が成立していたとしても、次回購入時に具体的な選択がなされるまでは給付内容が明らかにならず、費用の具体的原因事実が発生したとはいえず、金額を合理的に算定することもできないとして、債務確定基準(2)及び(3)を満たさないと判断した。 原告が主張した金品引換券通達(基本通達9-7-3)の準用については、ポイントは金銭と引き換えることができず、金品引換券とは性質を異にするとして退け、付与時費用処理法が公正処理基準に適合するとの主張についても、法人税法が販管費の債務確定要件を明文で定め引当金の損金算入を限定している以上、会計基準がどうあれ法令の定めに従うべきであるとして排斥した。新会計基準(収益認識基準)やIFRIC13の考え方に依拠する主張も、これらは収益を繰り延べる処理であって原告の会計処理とは整合しないとして否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。