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下級裁

選挙無効請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ1
事件名
選挙無効請求事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2019年10月29日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
田中寿生細川二朗峯金容子

AI概要

【事案の概要】 本件は、令和元年7月21日に施行された参議院議員通常選挙について、富山県、石川県、福井県の各選挙区の選挙人である原告らが、公職選挙法14条1項および別表第三の参議院議員定数配分規定は憲法に違反して無効であり、これに基づき施行された各選挙区の選挙も無効であると主張して、公職選挙法204条に基づき選挙の無効を求めた事案である。本件選挙当日、選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差は、最少の福井県選挙区を1とした場合、最大の宮城県選挙区で3.00倍であり、較差が3倍以上となったのは同選挙区のみであった。原告らが属する富山県選挙区は1.37倍、石川県選挙区は1.47倍であった。参議院議員定数配分規定については、昭和58年大法廷判決以来、数十年間にわたり5倍前後で推移してきた較差を縮小すべく、平成24年大法廷判決、平成26年大法廷判決が都道府県単位の現行方式の見直しを含む抜本的改革を促し、平成27年改正で参議院創設以来初めて2県合区(鳥取・島根、徳島・高知)を導入して較差を2.97倍まで縮小。平成30年改正では、選挙区選出議員の定数を2人増やし埼玉県選挙区に2人増員するとともに、比例代表に特定枠制度を導入することとされ、人口較差は2.985倍となった。 【争点】 平成30年改正後の本件定数配分規定が憲法の投票価値の平等に違反し、無効であるか。具体的には、較差3.00倍の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったか、また本件選挙までに是正措置を講じなかったことが国会の裁量権の限界を超えるか。原告らは、憲法56条2項、1条、前文1項1文冒頭に基づき人口比例選挙が要求されるとも主張した。 【判旨】 請求棄却。参議院議員定数配分規定の憲法適合性は、昭和58年大法廷判決の示した判断枠組みに従い、投票価値の著しい不平等状態が生じ、相当期間継続して是正措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超える場合に初めて違憲となる。本件選挙当時の1対3.00の較差は、その数字のみから直ちに著しい不平等状態とはいえず、両院の選挙制度が同質化し参議院の役割が増大していることや、都道府県単位が憲法上の要請ではないこと、平成27年改正附則で抜本的見直しの決意が示されながら平成30年改正はその決意を十分貫徹したとはいえない点など懸念はあるものの、他方で、参議院議員の任期を6年とし半数改選・偶数配分とする憲法上の制約、二院制による多角的・長期的民意反映の趣旨、都道府県を政治的まとまりとして住民意思を集約的に反映させる意義、全国知事会等から合区解消を求める意見が継続的に表明されていた事情、専門委員会を設置して17回の協議を重ねた立法過程、較差がわずかながらも是正された事実などを総合すると、選挙制度の抜本的見直しには参議院の在り方に関する高度に政治的な判断と相応の時間を要するといわざるを得ず、平成30年改正が選挙制度の仕組み自体の見直しとなっていないことをもって国会の裁量権の合理的行使を欠くとはいえない。よって、本件選挙当時、選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとまではいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできない。原告らが主張する憲法56条2項等に基づく厳格な人口比例選挙の要求も、従来の判例に照らして採用できない。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。