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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ1029
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2019年10月29日
裁判官
久留島群一鳥飼晃嗣秦卓義

AI概要

【事案の概要】 本件は、青酸化合物を用いた連続殺人事件として世間の耳目を集めた、いわゆる「京都青酸連続殺人事件」の民事損害賠償請求訴訟である。被害者A(当時75歳)の子である原告らが、内妻として親密な関係にあった被告がAを殺害したと主張し、不法行為に基づく損害賠償金として、各自2018万7986円(Aの逸失利益及び死亡慰謝料の相続分、原告ら固有の慰謝料の合計)の支払を求めた事案である。 Aは、平成25年9月20日午後7時7分頃、飲食店駐車場に駐車中の自動車内で意識を失い、病院に搬送されたが、同日午後8時57分頃に死亡が確認された。被告は、本件刑事事件(京都地方裁判所平成26年(わ)第1589号等)において殺人罪で起訴され、平成29年11月7日に有罪判決を受け、令和元年5月24日には大阪高等裁判所で控訴棄却となっている。 原告らは、本件刑事事件において刑事損害賠償命令の申立てを行い、第1審裁判所は各自1321万2791円の限度で請求を認容する決定をしたところ、被告が異議を申し立てたため、本件民事訴訟に移行した。刑事損害賠償命令制度は、刑事事件で有罪判決を受けた被告人に対し、簡易迅速に民事上の損害賠償を命ずる制度であり、被害者救済の観点から重要な意義を有している。 【争点】 争点は、被告がAを殺害したか(事件性及び犯人性)、損害の額、被告の責任能力の有無、消滅時効の成否、債務承認の有無の5点である。被告は、Aがシアン中毒で死亡したとの事件性自体を否認し、仮に殺害されたとしても自らが犯人ではないと主張した。また、認知症により責任能力を欠いていたとも主張し、さらに原告らは遅くとも平成25年12月28日頃には損害賠償請求が可能であったとして消滅時効を援用した。 【判旨】 裁判所は、Aの死因について、救急搬送時の呼吸状態(下顎呼吸、呼吸数12回)、血中酸素濃度が高値でありながらチアノーゼがないこと等から内窒息状態にあったと認定し、外傷・肺がん・心臓疾患・脳疾患等の可能性を医学的に一つずつ排斥した上で、硫化水素・アジ化ナトリウム・一酸化炭素等の中毒物質の可能性も排除し、Aの死因はシアン中毒であると認定した。 犯人性については、被告の夫方の植木鉢の土中からシアン化物イオンを含む物質入りのビニール袋が発見されたこと、被告が内妻として犯行機会を有していたこと、Aの死亡18日前に全財産を被告に遺贈する公正証書遺言が作成され、被告がA死亡後に直ちに金庫を解錠して資産取得を行った等の不自然な言動があったこと、及び被告自身の自白の信用性を総合し、被告がAを殺害したと認定した。 責任能力については、精神鑑定を担当したG医師の鑑定結果(犯行当時は認知症にり患していなかった)の信用性を認め、これを肯定した。消滅時効については、死亡当時は病死と診断されていたこと等から、原告らが被告逮捕(平成27年9月9日)までに損害賠償が事実上可能な程度の認識を有していたとはいえず、平成29年8月25日の刑事損害賠償命令申立てにより時効中断が生じたとして、被告の時効援用を退けた。 損害額は、死亡慰謝料2200万円、逸失利益142万5582円(生活費控除率70%)、原告ら固有の近親者慰謝料各150万円を認定し、原告ら各自1321万2791円の請求を認容して、仮執行宣言付き損害賠償命令を認可した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。