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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ10034
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年10月31日
裁判官
大鷹一郎國分隆文筈井卓矢
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「情報管理方法、情報管理プログラム、及び情報管理装置」とする特許(特許第3754438号、請求項14に係る発明)の特許権者である控訴人(株式会社パッセルインテグレーション)が、被控訴人(ソフトバンクロボティクス株式会社)がウェブサイト上で提供しているプログラム「Choregraphe(コレグラフ)」——人型ロボットPepperの動作を開発するための統合環境——が本件特許の技術的範囲に属すると主張し、特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償として約3億4915万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 本件発明は、複数のノードが木構造を有し、各ノードに対応付けられた情報をノード識別情報とともに文書ファイルとして記憶し、親ノード識別情報を利用してノードの木構造を表示する情報管理方法であり、また、自ノード変数データと直系上位ノードの上位ノード変数データを利用して演算する代入用スクリプトを含むことを特徴とするものであった。 原審東京地裁は、被告プログラム(Choregraphe)は本件発明の技術的範囲に属するものと認められないとして控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した。被告プログラムはボックスを結合線で接続することでPepperロボットのソフトウェアを実装する開発環境であり、フローダイアグラム上に配置されたrootボックスや各種機能ボックス(Set Language、Say、Say Text、Localized Textなど)が処理順序に従って接続される構造を持っていた。 【争点】 主要な争点は、被告プログラムが本件発明の各構成要件、特に「ルートノード」を定める構成要件E、及び「木構造表示ステップ」と「ノードデータテーブル表示ステップ」を定める構成要件Gを充足するかであった。控訴人は、被告プログラムのrootボックスが「ルートノード」に該当し、ボックス間の結合情報(Linkタグのinputowner/outputowner)が「親ノード識別情報」に当たると主張した。また、入力コネクタの名称が「上位ノード変数データ」に該当するとも主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所第4部は控訴を棄却した。 まず構成要件Eの「ルートノード」について、特許請求の範囲及び本件明細書の記載から、「ルートノード」とは階層関係にあるノードの木構造の先頭に位置し、そのノードデータに親ノードを特定する「親ノード識別情報」を含まないものと解される。被告プログラムのbehavior.xarファイル(本件behavior.xar1及び2)を検討すると、rootボックスに関するLinkタグ内の結合情報には、結合元である親ボックスを示すidが記述されており、rootボックスも親ノード識別情報を有している。したがってrootボックスは「親ノード識別情報を含まない」ものとはいえず、構成要件Eの「ルートノード」に該当しない。 次に構成要件Gの「木構造表示ステップ」については、被告プログラムがルートノードを備えない以上、複数のノードが木構造を有しているとは認められず、フローダイアグラム上の結合表示は本件発明の木構造の表示に当たらない。また「ノードデータテーブル表示ステップ」に関しても、「上位ノード変数データ」は明細書の記載に照らし「変数の値」を含むデータと解すべきであって、被告プログラムの入力コネクタの「名称」はこれに該当しない。 以上により被告プログラムは構成要件E及びGを充足せず、本件発明の技術的範囲に属するものと認められないから、その余の点について判断するまでもなく控訴人の請求は理由がないとして、控訴を棄却した。本判決は、ソフトウェア特許における「木構造」「ルートノード」の概念をクレーム及び明細書の記載に即して厳格に解釈し、開発環境ソフトウェアへの侵害主張を退けた先例として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。