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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10149
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年11月13日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子

AI概要

【事案の概要】 原告は、内燃機関用ピストンに関する「冷却空洞が改善されたピストン」の発明について特許出願を行ったが、拒絶査定を受けたため、不服審判を請求するとともに特許請求の範囲を補正した(本件補正)。本件補正後の発明は、最上リング溝と下方リング溝との間に封止冷却空洞を設け、上部燃焼面の平坦な最上部分から垂下する凹んだ燃焼ボウルを備え、燃焼ボウルと封止冷却空洞との間にピストン本体材料の薄い領域を形成する構成を特徴とするものであった。 特許庁は、本件補正発明は、甲1文献(特開平4-265451号公報)に記載された発明(甲1発明)及び甲2文献に記載された技術事項(甲2技術)に基づき当業者が容易に発明できたものとして、本件補正を却下し、本願発明も同様に進歩性を欠くとして審判請求を不成立とする審決をした。原告はこれを不服として審決取消訴訟を提起した。 【争点】 争点は大きく2つである。第一に、審判手続の違法性の有無(取消事由1)である。原告は、本件審決における主引用例が拒絶査定における主引用例と異なり、副引用例である甲2文献も審決以前に通知されていなかったにもかかわらず、拒絶理由通知を経ずに補正却下及び審判不成立の審決をしたことは手続違背であると主張した。 第二に、甲1発明に基づく進歩性判断の誤りの有無(取消事由2)である。具体的には、甲1発明・甲2技術の認定の誤り、本件補正発明と甲1発明との一致点・相違点の認定の誤り、及び各相違点についての容易想到性判断の誤りが争われた。原告は、甲1文献にはピストンリングやリング溝の記載がなく、また甲1発明のような二サイクルエンジンでは頂面付近の肉厚を厚くする必要があるため甲2技術の適用には阻害要因があると主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 手続違背の点については、本件拒絶理由通知書・本件拒絶査定書の記載の仕方は必ずしも適切とはいえないものの、甲12文献のみならず甲1文献も主引用例として進歩性欠如の拒絶理由が通知されていたと評価できるとした。原告自身も意見書や審判請求書で甲1文献を主引用例とすることを前提とした反論を行っていたことから、防御の機会は実質的に保障されていたと認定した。また、相違点1について新たに副引用例として甲2文献を追加した点も、本件補正により付加された事項に関するものであり、特許法50条ただし書により新たな拒絶理由通知を要しないとした。 進歩性判断については、甲1文献の図面に描かれた2つの凹部はリング溝であり、これにピストンリングが配置されることは技術常識であると認定し、審決の甲1発明の認定に誤りはないとした。相違点1については、甲1発明と甲2技術は技術分野・解決課題・作用が共通し適用の動機付けがある一方、二サイクルエンジンにおいて凹んだ燃焼室を設けることは周知であって阻害要因はないとした。相違点3についても、ピストンリングが熱を伝達する役割を担うという技術常識を踏まえれば、封止冷却空間の配置構成は当業者が容易に想到できるとした。以上により、本件補正発明は甲1発明及び甲2技術に基づき容易に発明できたものであり、本件補正却下及び審判不成立の審決は適法であるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。