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行政

債務不存在確認等、充当処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1行コ90
事件名
債務不存在確認等、充当処分取消請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年11月20日
裁判官
西川知一郎長谷部幸弥善元貞彦

AI概要

【事案の概要】 A市議会議員である控訴人が、同市長に対し、市個人情報保護条例に基づいて自己情報の訂正を求めた事案の控訴審である。A市では、職員団体等の要請を受けて、対象職員の直接の同意確認を経ないまま、給与減額情報を職員団体等に提供する取扱いが行われていた。控訴人が市議会でこの取扱いを不適切であると指摘したことを契機に、市は同意書の提出を条件とする取扱いに変更し、その趣旨を職員に周知するために通知文書を発出した。その通知文書には、控訴人の市議会での発言が「職員が直接市へ同意書を提出していない状態で、第三者である職員団体等へ当該職員の給与減額情報を提供することは違法ではないのかとの指摘が市民の方からありました」と要約記載されていた。控訴人は、自身が実際に指摘したのは「同意書」の有無ではなく「同意」の有無の問題であるから、通知文書の記載は事実と異なるとして、条例18条1項に基づく訂正請求を行ったが、市長は訂正しない旨の決定をした。そこで控訴人は、当該決定の取消しと、訂正後記載のとおりに訂正することの義務付けを求めた。原審(大阪地裁)は、訂正義務付け請求に係る訴えを却下し、取消請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 本件条例18条1項の訂正請求の対象となる「事実の誤り」とは何を意味するか、そして本件訂正前記載に「事実の誤り」が認められるか否かが主たる争点である。控訴人は、自己情報中の事実と客観的事実との間に齟齬があることが明らかな場合には、行政は裁量で訂正を拒否することはできないと主張した。これに対し被控訴人は、当該自己情報の利用により権利利益が侵害される相当程度の蓋然性がない場合には訂正を認める必要はないと反論した。 【判旨】 裁判所は控訴を棄却した。訂正請求制度の趣旨は、誤りのある個人情報が利用されることによる権利利益の侵害を防止する点にあるから、条例18条1項の「事実の誤り」とは、自己情報中の事実と客観的事実とが相違する場合のすべてを指すのではなく、当該公文書の作成・取得の経緯・目的、性質、利用状況、相違の内容・程度等を考慮した上で、自己情報の利用により誤った評価・判断が行われ、その者の権利利益が侵害される相当程度の蓋然性が存する場合に限られると解すべきであるとした。本件について見ると、本件通知文書は取扱変更を職員に周知する目的で作成されたものであり、その記載を全体として読めば、控訴人の指摘の核心部分すなわち、対象職員の意思を直接確認しないまま給与減額情報が第三者である職員団体等に提供されていたという取扱いの問題点が端的かつ明瞭に表現されており、本件訂正前記載と実際の本件発言とは根本部分において共通しており、相違点は大きくない。また、本件通知文書が取扱変更の職員周知以外の目的で利用されることは予定されていない。これらの事情を総合すれば、本件訂正前記載の利用により控訴人の権利利益が侵害される相当程度の蓋然性は認められず、訂正請求の対象となる「事実の誤り」は存しない。したがって、原判決は相当である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。