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知財

商標移転登録抹消請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ28604
事件名
商標移転登録抹消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年11月26日
裁判官
柴田義明安岡美香子古川善敬

AI概要

【事案の概要】 本件は、情報機器のリユース・リサイクル促進等を目的とする一般社団法人である原告が、自らの理事兼事務局長であった被告に対し、「IoT機器3R協会」の文字からなる商標(本件商標)の譲渡は、一般社団法人法84条1項2号所定の利益相反取引に該当し、理事会の承認を得ていないため無効であると主張して、被告名義への移転登録の抹消登録手続を求めた事案である。 本件商標は、もともと被告が代表取締役を務めるオン社が出願したものであり、その後、オン社から原告が登録前権利の譲渡を受け、平成29年8月10日に原告名義で商標登録がなされた。ところが、同年9月14日、原告から被告個人に対して無償で本件商標が譲渡されたことを原因とする移転登録がなされた。この際、原告の理事会による承認や決議は経ていなかった。 【争点】 争点は、(1)本件譲渡が理事会の承認又は決議を欠いて無効か、(2)原告が無効を主張することが信義則に反しないか、(3)原告代表理事Bによる譲渡の指示があったか、の3点である。被告は、オン社の唯一の株主兼代表取締役が自身であることから、本件譲渡は実質的に原告からオン社への商標返還であり利益相反取引に該当しない、また原告が商標登録や移転費用を全く負担していないこと等を理由に、原告の無効主張は信義則に反する等と主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を認容し、移転登録の抹消登録手続を命じた。 まず争点1について、本件譲渡は、原告の理事である被告が原告から原告財産である本件商標権を無償で譲り受けたものであり、理事が自己のために一般社団法人と取引をした場合に当たるから、一般社団法人法84条1項2号所定の利益相反取引に該当すると判示した。被告の主張するオン社への実質的返還論については、オン社は被告とは独立した法人格を有する株式会社であり、原告はオン社に対して商標を譲渡したものではないから、そもそも原状回復の問題ではないと退けた。そして、理事会の承認を受けていない以上、本件譲渡は無効であるとした(最高裁昭和43年12月25日大法廷判決参照)。 争点2について、本件譲渡当時、原告はIoT対応機器分野への進出と名称変更を計画しており、本件商標は原告の今後の事業展開にとって重要なものとなり得たものであること、原告が登録前権利を有していたことは理事らにも認識されていたこと、本件譲渡は無償で被告に譲渡するものであり利益相反の程度が高いこと等を指摘した。そして、被告が本件譲渡につき理事会の承認を受けていないことを認識していた(悪意)以上、仮に代表理事Bから譲渡の指示を受けていたとしても、法人は悪意の相手方に対して取引の無効を主張することができるとして、信義則違反の主張を排斥した。 以上により、原告の請求には理由があるとして認容された。なお、商標権の移転登録抹消登録手続を求める請求であるため、仮執行宣言の申立ては却下された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。