AI概要
【事案の概要】 原告である有限会社久美川鉄工所は、平成29年12月18日、発明の名称を「地上、地下と地面」とする特許出願を行ったが、平成30年9月11日付けで拒絶査定を受けた。原告は、これを不服として平成30年11月15日に拒絶査定不服審判を請求し、特許庁において不服2018-15212号事件として係属した。特許庁は、令和元年9月19日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は同年10月13日に原告へ送達された。原告は、令和元年11月13日、本件審決の取消しを求めて本件訴訟を知的財産高等裁判所に提起した。本件は、特許庁の審決取消訴訟において、訴えの提起が特許法所定の出訴期間内に行われたか否かが問題となった事案である。 【争点】 本件の争点は、本件訴えが特許法178条3項に定める出訴期間内に適法に提起されたものといえるかである。具体的には、本件審決の謄本が原告に送達された令和元年10月13日から30日以内に訴えが提起されたか否かが判断の対象となった。 【判旨】 裁判所は、本件訴えを却下した。本件記録によれば、本件審決の謄本が原告に送達された日は令和元年10月13日であり、原告が本件訴訟の訴状を当裁判所に宛てて郵送し、これが当裁判所に到着した日は同年11月13日であることが明らかであると認定した。審決取消しの訴えは、審決の謄本の送達があった日から30日を経過した後は提起することができない(特許法178条3項)ところ、本件訴えは、本件審決の謄本が原告に送達された令和元年10月13日から既に30日を経過した同年11月13日(上記期間の満了日は同月12日)に提起されたものであるから、出訴期間を経過した後に提起されたものであると認められる。したがって、本件訴えは不適法であり、その不備を補正することができないから、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条を適用して却下すべきであると判断した。本判決は、特許法178条3項の出訴期間が不変期間に近い厳格な性質を有するものであり、期間徒過による訴えは補正の余地なく却下されるという実務上当然の帰結を改めて示したものである。