都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3141 件の口コミ
下級裁

殺人被告事件

判決データ

事件番号
令和1う293
事件名
殺人被告事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2019年11月27日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
堀内満山田順子大久保優子

AI概要

【事案の概要】 被告人が、当時12歳の実子である長男の胸部を包丁で殺意をもって1回突き刺して殺害したとされる殺人事件の控訴審判決である。被告人は長男に中学受験のための勉強を教えていたが、長男が反抗的な態度を見せると、カッターナイフやペティナイフを向け、机や教科書に刃を立てるなどして怖がらせる行為を繰り返していた。犯行前日には、勉強態度について説教した際、包丁を長男の体に当てて足に浅い切り傷を負わせていた。犯行当日、被告人は長男の態度に苛立ち、包丁を手に持って説教し、泣き出した長男の口を塞ぐなどした後、長男の胸部に刺し傷が生じ、長男は死亡した。第一審(原判決)は被告人を懲役13年に処した。これに対し弁護人が、被告人は長男を包丁で突き刺しておらず殺意もなかったとして事実誤認を主張し、また量刑不当も主張して控訴した。 【争点】 主たる争点は、(1)被告人が長男の胸部を包丁で突き刺したか否か、および殺意の有無(事実誤認の主張)、(2)懲役13年の量刑が重過ぎないか(量刑不当の主張)である。弁護人は、被害者と揉み合いになり前方に倒れ込んで包丁が偶然刺さった可能性を指摘し、また、切り込まれたのは胸骨ではなく肋軟骨であるとの医師の供述を援用して、強い力で突き刺したと認定した原判決を論難した。さらに、被告人には特定不能の広汎性発達障害があり、それゆえ刃物を使う以外の指導法を考える柔軟な思考力が欠如していたなどと主張した。 【判旨(量刑)】 名古屋高裁は、控訴を棄却した。事実誤認の主張については、傷口の形状が整っており深さ約9cmで右心房前壁を突き抜けていたこと、被害者が動いていない状態で一気に刺し入れられたと認められること、被告人が犯行前に苛立ちを募らせていた経緯、犯行後に自ら刺した旨を病院で発言していたことなどから、被告人が殺意をもって胸部を突き刺したと認定した原判決の判断過程は論理則・経験則に照らし正当であるとした。揉み合いの可能性や偶発的に刺さった可能性は抽象的可能性に過ぎないと退けた。胸骨か肋軟骨かの争点も、加えられた力の大きさを推し測る一事情にとどまり、本件では有意性のある争点とはいい難いとした。量刑不当の主張についても、実父による子の殺害という事案の重大性、受験指導の名の下に暴力的言動をエスカレートさせ何ら落ち度のない被害者に苛立って激高したという動機・経緯の身勝手さ、人体の枢要部である胸部に9cmもの深さで鋭利な包丁を突き刺す犯行態様の危険性を正当に評価した原判決の量刑判断は妥当であり、広汎性発達障害の主張も精神障害はないとした原判決の判断は専門家の知見を踏まえた合理的なものであるとして排斥した。当審未決勾留日数中70日を原判決の刑に算入した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。