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下級裁

謝罪広告等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ29650
事件名
謝罪広告等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年12月2日

AI概要

【事案の概要】 本件は、週刊誌の記事によって名誉を毀損されたとして、特定非営利活動法人(NPO法人)である原告Bと、その代表者理事である原告Aが、週刊誌発行会社である被告に対し、民法709条に基づく損害賠償(原告Bにつき5500万円、原告Aにつき2200万円)と、民法723条に基づく謝罪広告の掲載を求めた事案です。 原告Bは、自由で質の高い言論の場を提供することを目的とするNPO法人で、原告Aがその設立以来代表を務め、国内外のシンクタンクと連携して国際会議を開催するなどの活動を展開してきました。原告Bは、外交・安全保障に関する国の補助金の交付も受けていました。 原告Aは、原告Bの理事長報酬とは別に、個人事務所「L」の屋号で原告Bから業務委託を受け、クオリティ誌やウェブコンテンツの編集業務を行い、平成18年から平成29年3月までに約5923万円の業務委託料を受領していました。 被告が平成29年7月に発行した週刊誌には、「元E次官が顧問 B理事長に7千万円'横領'疑惑」との見出しで、原告AがダミーとされるL社を経由して原告Bから約7000万円を個人口座に受け取っていること、NPO法の義務である役員との取引の報告書記載がないことなどを指摘する記事が掲載されました。 【争点】 主な争点は、(1)記事が事実摘示型の名誉毀損に当たるか、それとも意見・論評の表明にとどまるか、(2)論評と認められる場合の真実性・相当性の抗弁、(3)損害の発生と額、でした。被告は「横領」は法的見解の表明であり意見・論評であると主張し、原告らはダミー会社を使った着服という具体的事実の摘示であると主張しました。 【判旨】 東京地裁は、見出しや本文の表現を一般読者の普通の注意と読み方を基準に総合的に判断し、本件記事は第三者からの伝聞紹介を用いつつ、間接的・婉曲的に「原告Aが不正にダミー会社を経由させる方法で原告Bから正当な報酬以外に7000万円を横取りした、又は横取りしたことを強く窺わせる事実が存在する」との事実を摘示したものと認定しました。「横領」の語は刑法上の構成要件を指すだけでなく、他人のものを不正に横取りする行為一般を表す語としても用いられるため、「横領疑惑」と書かれていても法的見解の表明にとどまらず事実摘示に当たると判断されました。 その上で、原告Aが金員を横取りした事実またはそれを強く窺わせる事実の真実性・相当性を認めるに足りる証拠はないとして、被告の抗弁を排斥しました。他方、原告Bについては、代表者個人への名誉毀損が直ちに法人の社会的評価を低下させるわけではなく、原告Bが具体的にどの摘示事実により信用を低下させられたのかの主張立証を欠くとして、法人に対する名誉毀損の成立は否定しました。 損害額については、週刊誌の見出しには誇張表現が用いられることが広く認識されていること、原告BにNPO法54条2項3号違反(役員との取引の報告書記載義務違反)の事実があったこと、記事末尾に原告B側の説明も併記されていたことなどを考慮し、原告Aの慰謝料100万円、弁護士費用10万円の合計110万円の限度で請求を認容しました。謝罪広告の掲載請求については、慰謝料の一部認容により名誉が相当程度回復するとして棄却されました。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。